致死量の愛、ようするに幸せ | ナノ



ああ、ほんとかっこいい。どうしてこんなにかっこいいんだろうか。きっとこの人のためだけにかっこいいという言葉があるんだろう。メタグロスをバカみたいに愛でる姿でさえ、ほんとかっこいい。そして、すき。私の名前を呼んでくれるやわらかい声だとか、いつも凜として揺らぐことのない薄い灰色の透き通った瞳、そっと私を撫でてくれる綺麗な手、ダイゴさんのすべてに私は夢中になる。依存する。まるでまやくみたい。

それだけでも私の胸はきゅっとなって苦しいぐらいなのに、ダイゴさんは私に優しいキスまで落としてくれる。私はダイゴさんに溺れてしまってる。そのまま溶けてひとつになれればいいのに。私の思考回路はダイゴさんによって支配されている、要するに私はダイゴさんで生きている。なんだかそれって、素敵。


今日も私はダイゴさんの部屋へ行く。きっとそこが私の楽園だ。だってダイゴさんが居るから。ちょっとひかえめにドアをノックすると、ダイゴさんの優しい声が返事をしてくれる。

「ダイゴさん!!」
「いらっしゃい。どうしたの?」
「ダイゴさんに会いたくって」
「それ、昨日も言ってたよ」

少し笑って、そのまままた仕事にとりかかるダイゴさん。ちょっと寂しい。何気ないふりをして机に向かって仕事をしているダイゴさんの後ろに回ってぎゅっと抱き着いた。

「ほんと、どうしたの?今日は随分と甘えたさんだね」
「んー」

あーダイゴさんの匂いがする。とってもしあわせ。

「ほら、引っ付いたままじゃ僕が仕事できないだろ?」
「やー」

やだ、ダイゴさん、仕事なんかに戻らないで。なんて言っても無駄なことくらい分かってる。だからせめてもの足掻き、離してあげない。するとダイゴさんはしょうがないなぁ、なんて言ってから私のくちびるに優しくキスをしてくれた。しあわせ。


「ねえダイゴさん」
「何だい?」
「私しあわせすぎて、しんじゃいそう」

そういうと、ダイゴさんは2、3回瞬きをしてからいつもみたいにふわって笑った。

「ねぇ、一緒に死のうか」
「ダイゴさんとなら」




1023 ダイゴ

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