世界の終わりに添えて、 | ナノ


Q.世界の終わりがきました。
あなたはいったい何処へ行きますか?

A.恐らくフィディオの隣です。
晴れの日も雨の日もきっと世界が終わる日だって、私はいつもフィディオの隣に居るのです。





もし世界が終わるならば、なまえはどうする?突然フィディオが私に問い掛けた。どうしてそんなこと聞くのと返せば、今質問してるのは君じゃなくて俺だよとフィディオはいつもとおんなじきらきら笑顔で私にその質問をまた突き返した。もし世界が終わるならば?それは大変こわい。ちっぽけな私なんて、多分世界の生き物達の中でも最初の方に死んじゃうんだろうなぁ・・・そんなことをふわふわと考えながら私がフィディオに返した言葉はたった一言、分からない。フィディオは私の答えに不服だったのか、真面目に考えてよと頬を膨らませた。そんなフィディオも素敵だなぁ、とまたふわふわと考えていたらフィディオが私にでこぴんをひとつ落とした。痛いなぁ、もう。私がおでこを手でさすっているとフィディオは私に、じゃあもし世界が終わるならばなまえは何処へ行く?と聞いてきた。また随分とむつかしい質問だなぁ。高いところに逃げたって助かるわけじゃあないし、地球から出られるわけでもないし。じゃあ私は何処に行くんだろうかと考えて思い付いた答え「フィディオの隣かな」そう言ってフィディオを見ようとしたら、フィディオは私の両手をそっと握って私の唇にちゅっとキスを落とした。私はビックリ。

「フ、ィディオ?」
「ごめんなまえ、我慢できなかった」

フィディオはキスした後も恥ずかしがる様子もなく私に向かってきらきら笑顔を向けるものだから、私は許してあげると一言呟いてフィディオに握られたまんまの手で彼の手を握り返した。



11.02.13 フィディオ

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