世界の終わりに添えて、 | ナノ


Q.世界の終わりがきました。
あなたはいったい誰と過ごしますか?

A.恐らく基山ヒロトくんです。
正確に言えば、ヒロトとお日さま園のみんなです。





もし世界が終わるならば、そんなこと考えたこともなかった。だってそんな現実にありえないようなこと考えていたって、きっと途中でヒロトだとか晴也だとか風介だとか、他にもいっぱいいる私の大切な人達が私を呼ぶから。呼ばれたら私はきっと考え事を止めて、みんなと遊んだりお喋りしたりして、それが終わった後にこう思うの。あれ、私さっきまで何を考えていたんだっけ?まぁいいや、ってね。そしてまた大切な人のところで今を生きる。世界の終わりについてなんて、今の私にはどうしても思い出せない昨日の晩御飯とおんなじくらいどうでもいいこと。そんな私だけど、私の世界は何で出来ているかと聞かれれば私は迷わずに大切な人と言う。原子でも火でも水でも土でも風でも数でもない、大切に想うこころだ。あえていうならば、愛。私はみんなを愛している。みんなみんな私の世界だから、みんなみんな大切。それっておかしいのかな?

「なまえらしい考え方だね」
「やっぱり?」
「うん、君らしいよ」
「誰と過ごすかって聞かれれば私はみんなって言うけど、誰か一人とって聞かれれば私は迷わずヒロトって言うよ」
「本当?」
「うん。ヒロトは私の世界の中心だもん」
「ははっ、それは嬉しいなぁ」
「例えヒロトの世界の中心が私じゃなくても、私の世界はずっとずっとヒロトだけ」
「・・・・ばかだなぁ、なまえは」
「な、なんで・・・?」
「僕の世界の中心は、君に決まってるじゃない」

大好きだよ、そう言って私を抱きしめるヒロトの腕。私は今、世界の真ん中にいる。




11.02.06 基山

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テーマ「人外ファンタジー」
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