little day | ナノ



斎藤さんと一緒に外に出ると空は青くてほんのりとした昼下がりという感じで絶好のおやつ日和だった。私と手を繋いだまま隣をちょこちょこと歩く斎藤さんは今までと違う目線からみる京を興味深そうに見ていた。斎藤さんは今日も美人さんです。しばらく歩くと、この間行きつけの店だと沖田さんに教えて貰っていた甘味屋に着いた。奥の席につくと斎藤さんはちょっと楽しそうだった。二人で団子を頼んでお茶と一緒に頂くことにした。

「斎藤さん、お団子美味しいですね」
「あぁ、うまいな」
「この間斎藤さんに差し入れたお団子、ここのなんですよ?」
「なるほど、どうりで味が同じな訳だ」
「ここ、沖田さんに教えて貰ったんですよ」
「・・・・そうか」
「斎藤さん?どうかしました?眉間にシワが寄ってますけど」

斎藤さんはむっとした顔でモグモグと団子を食べる手を止めて、私をじとりと見た。斎藤さんは小さくなってからよく私をこういう目でみる。そんな顔をしても綺麗な斎藤さんがずるいです。

「お前は総司と仲が良いな」
「そうですか?私はそうは思いませんけれど」
「お前は総司が好きなのか?」
「えぇ!?私?そりゃあ友達というか仲間としては好きですけど・・・・・」

私は沖田さんに恋なんてしてませんから、そう言うと斎藤さんは寄せていた眉間を緩めてそうかとだけ言ってまた団子に口をつけた。それに私が恋してるのは沖田さんじゃなくて斎藤さんですから、なんて出かけた言葉を慌てて団子と一緒に飲み込んだ。




10.12.03

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -