little day | ナノ



ぺちぺちと頬を叩かれる感覚がしてうっすらと目を開けると、そこには呆れた顔の平助がいた。何で平助が私の顔を覗き込んでいるのか、と考えてから私は自分が今までお昼寝をしてしまっていたことに気付く。

「へーすけ、どうしたの?」
「なまえは相変わらずねぼすけだよなぁ」
「うるさい・・・で、何か用あるの?」
「昼飯に使う調味料が切れちまったみたいでさぁ、まぁ大方総司の仕業なんだけどな」
「で、私に買いに行けと?」
「俺も左之さんも今から巡察だし新ぱっつぁんは今平隊士の稽古つけてるし総司はどっかいっちまっててさぁ」

お前しか居ないんだと頼まれては断れない。それに平助が捨てられた子犬のように目をうるうるさせるもんだから尚更だ。分かったと言ってあげれば平助はありがとう!!と満面の笑みで返してくれる。私は平助のこういうところが好きだったりするのだ。じゃあ頼んだから、と走り去っていく平助を見送ってから今だに私の腕の中で眠る斎藤さんを見る。起こすのも可哀相だしなぁ。斎藤さんには悪いけれど、斎藤さんに黙って買いに行こう。すぐに帰ってこれば問題ないはずだ。そう考えてから私は斎藤さんを彼の部屋の布団に寝かせてから、そっと買い出しに向かった。




10.11.15

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -