little day | ナノ



「さて、どうしましょう?」
「俺に聞かれても困るのだが」
「・・・・ですよねぇ」

はぁ、と吐き出した溜息は比較的暖かい今日の空気に消えた。小さくなってしまった斎藤さんのお世話をさせてもらうのはいい。だけど具体的に何をすればいいのかが分からない。体が小さくなっても中身は斎藤さんのままなのだ。小さくなっても自分の任務を果たそうとする斎藤さんを抑えるくらいしかすることがないのだ。巡察も小さくなった彼では無理がある。刀を持つことすらできないくらいに手も小さくなってしまっているので、意味もなく斎藤さんを膝に乗せて案外ふわふわな彼の髪の毛を弄りながら縁側でぼーっとするくらいしかすることがない。正直暇で仕方がないです。誰か助けて下さい。そう考えていると向こうから土方さんが歩いてくるのが見えた。

「土方さん、暇です」
「仕方ねぇだろうが、斎藤がそんなになっちまってるんだ」
「ですよねぇ・・・」

再び吐き出したはふーという私の溜息に顔を少ししかめる土方さん、何かすごく酷いです。

「そういえばなんで斎藤がそんなになっちまったのか分かってんのか?」
「あー・・・分かりませんねぇ・・・・・斎藤さん何か身に覚えありませんか?」
「特にないが」
「そうですか・・・・・」
「そんなに暇なんだったら原因でも調べりゃいいだろうが」

さらりと私達に目的を与えてくれてから、颯爽と俺は仕事があるんでなと去っていく土方さんは非常に男前です。そういえば私達は斎藤さんがこんなになってしまった原因を知らない。それを調べるのが私達が今一番すべきことではないのか。それが分かれば斎藤さんが元に戻る方法も分かるかもしれないし。そうと決まれば早速調べよう。とりあえず斎藤さんの昨日行動を聞いてみると、一つだけ引っ掛かったことがあった。

「斎藤さん、さっき山南さんにお茶を煎れて貰ったって言いませんでしたか?」
「言ったが、それがどうかしたか?」
「斎藤さんは山南さんに、お茶を煎れて下さいって頼んだんですか?」
「いや、山南さんが好意で煎れてくれただけだが」
「・・・・それじゃないんですか、原因」
「・・・そうかもしれないな」

確実にそれですよね。私は本日三回目であろう大きな溜息を吐いた。まぁ原因が山南さんなら悪いようにはならないはずだ。・・・・多分。まぁ恐らく大丈夫だということで、私達は再びすることがなくなってしまった。すると膝の上の斎藤さんが私にうとうとしながら寄り掛かってきた。何だか猫みたいで可愛いです。

「斎藤さん、もしかして眠いんですか?」
「ん・・・」

斎藤さんの猫っ毛を撫でてみると斎藤さんは気持ち良さそうに目を細めた。しばらくしてぐっすりと寝てしまった斎藤さんを見て、たまにはお昼寝もいいかもしれないなんて考えてそのまま私も目を閉じた。




10.11.14

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