little day | ナノ



「斎藤さん、お風呂気持ち良かったですか?」
「・・・別に普通だ」

さっきまで総司くんにお風呂に入れて貰っていた斎藤さんに、正座した私の前に座って貰って私はその湿った髪を手ぬぐいでわしゃわしゃと拭く。最近は随分暖かいけれど油断をしていると風邪をひいちゃうかもしれない、そう思って私が手ぬぐいを持って斎藤さんに髪を拭かせて下さいとお願いすると斎藤さんは怪訝そうな顔をしてなまえにそんなことが出来るのかなんて一言呟くものだから私だって出来るんですよ、そう言う代わりに半ば無理矢理座って貰って現在に至るのだ。最初は若干不安気な顔をしていた斎藤さんも私が髪を乾かし始めると、気持ち良かったのか眠そうな顔になってきていて、私が彼の髪を乾かし終える頃にはうとうととうたた寝をしそうになっていた。斎藤さん本当に可愛いな・・・・

「斎藤さん、眠くなっちゃいました?」
「そんな・・・ことは・・・・・・」
「ふふっ、もうお布団に入りましょうか」

私は斎藤さんを抱っこしていつもよりかなり早くお布団に潜り込んだ。斎藤さんは眠いのに頑張って起きていようとしていて、その可愛い姿を見て私はなぜだか心がくすぐったいような、そんな気持ちになった。それとともに、私は溢れるような気持ちを口にしていた。

「斎藤さん、私こんなに斎藤さんとのんびり一日を過ごしたのは初めてでした」

「今日ふと思ったんですけど、私三番組に入れて良かったと思いました」

「いつ死んじゃうかわからないけれど、三番組組員として戦場で死ねるなら本望だと思っちゃうんです」

「おかしいですよね、私達必死に生きてるのに。生きるために戦っているのに、死んでもいいだなんて」

「だけど私は、斎藤さんの元でなら全然構わないんです」

今、聞いているかもわからない斎藤さんに向けてこんなことを言う私は馬鹿なんでしょうか?聞かないでいてほしい、聞いてほしい、二つの感情がせめぎあう私の胸のなかからするりと何かが零れた。

「斎藤さん、大好きです」

あれ、どうしてだか分からないけれど急に眠くなってきたな。私は小さな斎藤さんの体を抱きしめながら、そっと瞼を閉じた。




11.01.20

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