僕と君の七日間 | ナノ


「風丸さ、最近楽しそうだよな」
「は?いきなり何言うんだよ円堂」
「いや、何か最近楽しそうだと思っただけなんだけどな!!」
「そう、か?」
「ああ!!!」

円堂にいきなり最近楽しそうだとか言われた。俺が最近楽しそうなのか?気のせいじゃないのか?でも円堂は嘘なんていう奴じゃないことはこの俺が一番分かってるつもりだ。俺はこの円堂の、純粋に全力で人と向き合うところを割と気に入っていたりする。まあそれはいい。とりあえず俺はそんな円堂に楽しそうに見えると言われたのだ。円堂がいうならそれは間違いじゃないだろう。問題は何が楽しくて俺が楽しそうに見えるかってこと。最近起きた出来事を順番に思い出すとある一つの結論にたどり着く。

「みょうじ、か?」

そうだ、最近あった楽しい出来事と言えばみょうじと関わりを持つようになったことだ。確かにあった、楽しい出来事。でもどうしてそれが楽しいのかが分からない。うんうん唸っている俺の肩が軽く叩かれた。誰だと思って振り返る。そして固まる。

「おはよう、風丸くん」
「・・・・・みょうじ」
「今日も暑いねぇ・・・」
「そ、そうだな」
「風丸くんどうしたの?顔赤いよ?」
「え、そ、そうか?」
「うん、熱あるのかなぁ?保健室いく?」
「いや、いいよ」
「そう?無理しないでね?」

みょうじが俺の顔を心配そうに覗き込む。またなぜだか顔が熱くなった。どうしてこんなに熱いんだ。何かの病気になったのかもしれない。でなきゃこんなに身体が熱い理由がない。隣で相変わらず楽しそうに話をするみょうじをみて、好きだなぁとか思ってしまう自分が居ることに今更気付く。あぁ、俺はみょうじに恋しちゃったのかもな。

「なぁ、みょうじ」
「ん、なぁに?」
「俺、お前の事好きみたいだ」
「うぇ?」

びっくりした顔をして、それから真っ赤になるみょうじを見て愛おしいと感じてしまう俺は随分と末期なようだ。


こうして僕は恋に落ちました
 (僕と君の愛おしい七日間)







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テーマ「人外ファンタジー」
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