僕と君の七日間 | ナノ

朝起きてから見た時計はすでに9時半を指していて、遅刻だと焦ろうと思ったところで昨日先生が明日は創立記念日とやらで休日だから学校にはくるなと言っていたのを思い出した。ああ、今日は休みだ。起きかけていた身体をもう一度ベッドに沈ませると小さな音と一緒に風が前髪をふわりと持ち上げた。何だか急にだるくなってきた。もう一度寝ようか。



再び目を覚ましたのは午後2時を過ぎた頃だった。寝過ぎの代償である頭痛がする。簡単に昼ご飯を済ませて頭痛を紛らわす為に俺はランニングに行くことにした。外に出ると新鮮な空気で肺が満たされる。しばらく走っていたけれど、走り出した俺の足を止めたのは何故だか知らないが一人でブランコに乗るみょうじだった。

「みょうじ、おはよう」
「風丸くん、おはよう」
「なんでこんなところに居るんだ?」
「たまにさ、公園で遊びたいって急に思うときがあってね」
「ふうん」
「風丸くんも遊ばない?」


ぎいこぎいこ、みょうじが漕ぐブランコの錆びた音がする。どこかでパトカーが唸っている音がする。ぎいこぎいこ、

「いいよ」

そう、じゃあ一緒に遊ぼう。みょうじは分かってたとでもいう風に笑って言った。ブランコに乗ってるわけでもないのに視界がぐらりと揺れた。ああ、寝過ぎだからか

みょうじに倣ってブランコに腰をかけて、目一杯にブランコを漕いだ。上下に揺れる視界を楽しんでから、飛んだ。それからすぐ地面に足がつく感覚。久しぶりな感じがした。しばらく二人でブランコを漕いだり砂場に山を作ったり、小さい子が遊ぶようにはしゃいでいるといつの間にか夕方だった。西に太陽が沈みかけていて綺麗だった。


「風丸くん、今日は遊んでくれてありがとう」
「俺は何もしてないよ」
「一緒に居てくれて嬉しかったよ」

じゃあまた明日、そう言ってみょうじは公園から走り去った。俺の網膜に笑顔一つだけ残して。また視界が揺れる。やっぱり寝過ぎはよくないかもしれない。それにしても今日は西日が強い。どろどろと溶けてしまいそうだ。地球温暖化、かなぁ?とにかく身体が熱かった。



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テーマ「人外ファンタジー」
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