僕と君の七日間 | ナノ


円堂が用事があると言ってどこかへ行ってしまったので仕方なく一人で弁当を食べることにした。だけど教室で一人きりで食べると虚しさでいっぱいになるから屋上で食べようと思い、俺は屋上の重い扉を開いた。外は晴れ渡っていて、俺は深く呼吸をして空気を胸いっぱいに吸い込んだ。屋上ってこんなに心地好かったっけ、そう思って屋上にあるベンチに行こうとする俺の目に映ったのは一人で弁当を食べるみょうじの姿だった。


「みょうじ、一人なのか?」
「あ、風丸くんだ。私は今日は一人なんだ。友達が風邪ひいちゃって休んでるの。風丸くんは?」
「円堂は用事があるらしいから一人だよ」
「そうなんだーあ、一緒に食べる?」
「いいのか?」
「喜んで」


みょうじがそう言うならと言葉に甘えてみょうじの隣へ腰を下ろして弁当を開ける。今日はハンバーグか。

「風丸くんのハンバーグ美味しそうだね」
「母さんが作ってるからな」
「そうなんだー」
「みょうじは自分で作ってるのか?」
「うん、お母さん朝早く起きるの苦手だから」
「ふーん」

みょうじの弁当は一言で言うと可愛らしくて美味しそうだった。自分で弁当が作れるみょうじが凄いと思った。俺なんて卵焼きもろくに作れないのに。


「それにしても風丸くんのハンバーグ美味しそうだな・・・・明日のお弁当ハンバーグにしようかなー」
「ハンバーグ、食べるか?」
「え?いいの?」
「ああ」

自分がどうしてそんなことを言ったのか分からなかったけど、俺は気が付くとみょうじに箸で摘んだハンバーグを差し出していた。じゃあ頂きますとみょうじは俺のハンバーグをぱくりと食べた。俺の箸にあったハンバーグを、ぱくりと。


「おいしー!!!」
「そ、うか?」
「うん!!これどうやって作ってるのかなぁー」
「さあ・・・・」
「風丸くんありがとう!!あ、私のお弁当も食べる?今日は卵焼きが自信作なんだ」
「いいのか?」
「はい、どうぞ」

みょうじは箸に卵焼きを摘んで俺の前に差し出した。それを思いきってぱくりと食べる。口の中に卵焼きの味が広がる。何てことだ、かなり俺好みの味だ。


「どう?おいしい?」
「・・・・・かなり美味い」
「ほんと?良かった!!!頑張って作った甲斐があった!!」

また一緒にお弁当食べようね、とみょうじが笑う。こんな日もいいかもしれない。これも円堂のおかげかもな。円堂に心のなかでこっそりお礼を言いながら俺はまたハンバーグを口に運んだ。ハンバーグは美味いけど、やっぱりみょうじの卵焼きには負けるような気がした。



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