僕と君の七日間 | ナノ


席が違うとまた周りの景色も変わって見えるんだな、なんてふと思った。昨日の席替えでこの間まで前から三番目だった俺の席は窓際から二番目の一番後ろの席へと場所を移した。かなりいい席じゃん!と円堂が騒いでいた気がしないでもない。周りはそこまで仲良くない人ばっかだから後ろでもあんまり関係ないと思う。そんなことは置いておいて、今は授業の真っ最中である。昼ご飯の後の授業だからか円堂は教室の真ん中の列しかも前から二番目という席でありながらも爆睡している。まあ昼ご飯後でも前でも関係なく寝てる気がするけど。ったく、あいつは・・・後で注意しといてやらないと。頭の片隅でそう考えると自然と大きなため息が出てしまった。すると左側で小さく笑う声が聞こえて声が聞こえた方、すなわち左側に顔を向けるとみょうじが小さく笑っていた。みょうじはあまり目立つ方じゃなかったし、今まであまり気にしていなかったから笑ったところを見たことがなかった。だからみょうじでも笑うんだなんてかなり失礼なことを考えてしまった。みょうじは俺が見ているのに気付いて少し焦った顔をしてから、ごめんなさいと小さく謝った。


「謝る必要なんてないだろ?」
「ごめんなさい、つい笑っちゃったから」
「それはいいけど、何で笑ったんだ?」
「寝てる円堂くんを見てため息を吐く風丸くんが円堂くんのお母さんみたいに見えたから」
「お、お母さん?」
「息子を見るお母さんってかんじだったの」
「そうなのか」
「あ、気を悪くしたんなら謝るよ」
「いや、実際母親みたいなもんだしな」
「風丸くんは円堂くんと仲良いの?」
「幼なじみだよ」
「へー!そうなんだ!」


彼女との会話は先生に話してるのがバレて少し怒られるまで続いた。恥ずかしそうに先生に小さく謝ったとき、みょうじの髪が日光に当たって輝いて、怒られてる最中だったのに綺麗な髪だなぁとかぼんやり思った。つまらない話題でだけれどみょうじとは案外話が続いて、いつの間にかまた話出来るといいなだなんて考えている自分がいた。








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