私はきっと、異性の中だったらもっとも君の近くに居る女の子だろう。でもそれはただ単に君の『傍』に居るというだけで恋人関係ではないのだ。私は君と恋人関係になりたいと思わなかった。すぐ傍に居れたら良いと思った。 でも、なんでかな。君の傍に誰か女の子が居たら変な感じになるんだ。誰かと笑っていたら、その位置は私のものなのに、って。君が誰かの話をしていたら、それ私も一緒だったんだよ、って。可笑しいね、可笑しいと思うよ。 独占欲なんて私のキャラじゃないのに。 放課後君のクラスの教室に行った。クラスは違うけど、そこには女友達が居るから行っても違和感は無い。『わざわざ君に逢いに来たわけじゃない』なんて言って。嘘なのにね。ホント可愛くないね私。いつも通り本とにらめっこをしてる君を見つけた。その机の前にしゃがみこんでみる。君は一向に私のほうを見ず本とにらめっこ。 「ねえねえ」 「なに?」 「高校、どこ行くの?」 「…近場」 「そっか」 ほらね、また寂しくなる。友達とはなれちゃうって言う寂しさとはまたちょっと違う寂しさ。私を見てよ、本なんか見ずに私を見てよ。そんなコト思う私は何事。 「…馬鹿だね」 ポソリと呟いてみた。君は「なにが?」と聞いた。嬉しくなった、少しだけ。こんな小さい声を取りこぼさず聞いてくれてた事に対して少しだけ。でも君は未だに本とのにらめっこ。まあ私も本読んでたら君にはかまわないけどね。 周りに居る友達が『お前らもう付き合えば?w』なんてからかって来るけどいつもの事。なのに最近ムキになって「なにいってんの?馬鹿じゃないの!」とか言うようになった。可愛くない。付き合うのが怖いからこの距離保ってるんだよ。別れが直ぐ裏にある距離が怖いからこの距離保ってるんだよ。 てかなに。それってまるで好きみたいじゃないか。likeじゃなくてloveの方。有り得ない。有り得ない。ありえないありえないアリエナイ…? 「…珍しいな、静かとか」 「黙ってろ」 ああやっぱり可愛くない。 「…まつげ長いね」 「そ?普通じゃね?」 「長いって。ちょっと眼瞑ってみ?」 そこで眼を瞑るとか。私が同性愛の趣味のある男子ならどうするんだ。 「どう?」 「んー?…ムカつくくらいに長い。よって死ね。」 「お前が言い出したんだろ」 眼を瞑ったまま君は笑う。 もし私と君が恋人関係ならココでキスの一つもできるだろう。でもそれをしてしまったら終わりなんだよね。こういうのなんて言うんだっけ。 友達以上恋人未満? ああもうありえない。 キスひとつで終わる関係 (そんなトモダチ関係もうヤなの、) 拝借。*確かに恋だった http://have-a.chew.jp/on_me/ |