「可哀想だって思うことしか僕にはなかったんです。だって、彼は僕が欲しくてしょうがないものを全部持っているのに、なのに平気な顔して僕の人生を否定して、僕の絶対を拒絶して、そのくせ愛されているんです。青峰くんとかならまだわかるのに、僕のほうがこんなにも愛しているのに。なのに僕は愛されなくて彼は愛されるんです。なぜなのでしょうか。僕は努力をしてきました。たくさんたくさんしてきました。上手くなりたくてたくさん練習しました。楽しくて楽しくて仕方がないから、辛くてもたくさん練習しました。たくさん練習しても上手くはなりませんでしたが、僕はずっとずっと好きでした。けれど彼はそんな僕を嘲笑います。唾を吐きます。僕に才能が無いから。僕を、僕の大好きなバスケを馬鹿にします。だから僕は何も出来ない代わりに、彼を可哀想だと思うことにしたんです。だって、それくらいなら、許されるでしょう?」


「黒ちんは可哀想。だって才能が無いんだよ?なのにずっとバスケしてんだよ?意味わかんない。だってさ、それって何が楽しいの?もともとバスケなんて面白くも楽しくも無いのに。なのに黒ちんは毎日無意味に練習してんの。確かに黒ちんのパスはすげーし、赤ちんも黒ちんは必要だからって言ってたからしょうがないとは思うけど。でもさ、黒ちんは結局点は取れないんだよ?自分一人で勝てないんだよ?何も出来ない。本当にガキじゃん。そのくせ俺に噛み付いてきて、まじ鬱陶しい。バスケは面白いって言われても知らねーし。なんで黒ちんの価値観?ってやつを俺に押し付けんの?それって黒ちんのワガママじゃないの?だから俺は黒ちんをひねり潰すよって言ったの。そして黒ちんはどうぞって。僕のバスケへの思いは潰れませんからって。なにそれ。まじウザいし。そういうのいいから。そういうの言うなら、才能が出てから言えって話。でも黒ちんには才能が無いじゃん。だから、黒ちんって鬱陶しいしウザいし面倒だけど、可哀想だとは思うよ」



かわいそう
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