笠松せんぱーい、と泣き付いてくるウチのエースを殴る。毎日のように殴ったり蹴ったりしているせいか、床に倒れたかと思うとすぐに立ち上がり、今度は弱々しく笠松先輩、と泣き付いてきた。さすがにこれでは話を聞かなければなと思い、黄瀬の目を見る。
「どうしたんだよ」
「聞いてくれるんスか!?」
「早くしろ。行くぞ」
「ああああ待って先輩!話しますから!」
 歩こうとする俺の足を掴む黄瀬を蹴り飛ばして、改めて向かい合う。
「実はっスね、今度知り合いのおじさんが誕生日なんでお世話になってるお礼も兼ねてなんか送りたいんスけど……なんかないっスかね?」
「おじさん……?」
 なそだろう、黄瀬の口からおじさんという単語が出ると違和感がある。けど、たぶんこれは気にしちゃいけねぇ違和感だから、忘れることにする。それにしても誕生日プレゼントとか……。
「知るかんなこと。自分で決めろよ」
「それが出来ないから相談したのに……」
「まぁ、お前の感謝の気持ちさえ伝わればいいだろ」
 なんとなく締める。本当ならもう少し話したいが、そろそろ練習の時間だ。まだぶつぶつ文句を言う黄瀬の頭を殴り、練習へ促す。まぁ、練習が終わったあとでならもう少しゆっくり話を聞いてやってもいいが。



あれはあれ
お題>女顔
/笠松先輩男前ー
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