バスケは嫌いだが才能があるから嫌々ながらにしていると言っているせいか、たまに二軍辺りの連中に囲まれて部活止めろ、やお前なんて赤司の金魚の糞だ、など言われるが、紫原はそんなことを気にすることはなかった。何故なら赤司から「敦には才能があるんだから才能がないやつに僻まれてもしょうがないんだよ」と言われたからだ。だから紫原は真っ正面から死ねと言われても普段通りお菓子を食べていた。紫原を囲う連中はそんな紫原の様子に、結局何を言っても無駄だと舌打ちをし、去る間際に赤司に嫌われているくせに、と呟いた。紫原のお菓子を食べる動きが止まる。しかし紫原を囲っていた連中は去っていたので、誰も気付かない。

「赤ちんは俺のこと嫌い?」
 囲っていた連中が呟いた一言が引っ掛かったまま部活に出た紫原は、休憩時間に練習メニューを確認している赤司にストレートに訊ねた。赤司は練習メニューから紫原に目線を上げ、意外と切羽詰まった顔をした紫原にペンを置いた。
「どうした、急に」
「赤ちんは、俺のこと嫌いって」
 素直に答える紫原に赤司は目を開いた。紫原の肩が震える。赤司が怒ったからだ。敦。赤司に呼ばれ、紫原はおどおどしながら赤司に近付いた。紫原のシャツを掴み、引っ張る。吐息がかかりそうなくらいに顔が近くなる。
「敦は僕以外の言葉を信じるの?」
 赤司の瞳孔に震える。すぐに紫原は泣きそうになりながら首を振った。
「僕が敦に嫌いと言ったことはあったか?」
 紫原は首を振った。赤司の目が細くなり、満足げに頷く。シャツを離す。赤司は再びペンを取り、練習メニューに目線を戻す。紫原はそんな赤司に、ごめんねと呟いて赤司から離れた。
 離れていく紫原の背中をチラリと見て、赤司は小さく溜め息を吐いた。まさかたかが二軍ごときの言葉に惑わされるとは。ペンを置く。そして明日、練習試合があることを思い出す。
 明日、紫原がノルマを達成したら好きとでも言っておくか。



ずれる
レス>赤司さまが帝王というかいつもの赤司さまな気がしますが、よく考えたら赤司さまは帝王みたいなもんだと思い出してこんな感じになりました。紫原も可愛くてなってますかね?紫原受けはもう少し増えてもいいと思います!リクエストありがとうございました〜。
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