「峰ちんの考え方でいうとさ、俺って悪いやつなんだね」
 今日は俺と紫原が鍵当番だったから、だりーけど二人で残ってたら紫原がのんびりとそんなことを言ってきた。見上げてみると、紫原は菓子をぼりぼり食っていた。お前は怪物かなんかかと思いながらため息を吐く。
「なんで、そうなんだよ」
「だって峰ちん、バスケ好きに悪いやつはいないって言ってんじゃん」
 紫原はバスケが好きじゃない。それは本人も言ってるから、全員知ってる。だから、あんな紫原にバスケの話を振らないようにしているのだ。だから、確かに俺の持論からすると、紫原は悪いやつになる。だが、俺は別に紫原が嫌いでも好きでもない。ただ、仲良くしてるほうだと思っているだけだ。
 紫原が欠伸をする。
「別にお前を否定してるわけじゃねぇからな」
 紫原が菓子の袋を捨てながら、笑った。
「峰ちんやっさしー」



正反対派
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