なんでわかるの? と小金井はよく訊ねられたが、あまり良くない頭ではみんなの求めるような答えは出せなかった。だから小金井は必ず、そういった質問には正直に答えるようにはした。なんでわかるの? なんとなく。
映画を見よう、と水戸部を誘ったのはごく自然なことだった。水戸部もごく自然に頷く。しかし次に小金井が映画は映画でもホラー映画だということを伝えると、困惑の表情を浮かべた。きっと第三者がここだけ見れば、水戸部はホラー映画が苦手なのだろうと思うだろう。しかし小金井にだけは、水戸部の表情の理由がわかった。水戸部は、気を遣っているのだ。自分より土田と行ったほうがいいのではないか、と。
小金井は快活に笑い飛ばす。
「俺は水戸部と行きたいの!」
確かに、同じ趣味の土屋と行くほうが有意義なのかもしれない。それに水戸部は自ら進んでホラー映画を見るような人間ではないことなど、小金井は熟知している。しかし小金井は、それでも水戸部と見たいと思った。水戸部だから一緒に行きたいと思った。小金井は相変わらずなんでもないように笑う。
水戸部はぽかん、とそんな小金井を見ていたが、時間が経過するにつれ、照れ臭そうに笑って小金井の頭を撫でた。小金井はそんな水戸部を見て、水戸部が自分を男らしいなと言っているのをなんとなく感じ、そしてなんとなくのまま、水戸部大好き! と無口な水戸部の代わりに叫んだ。
いわゆるひとつのアイラブユー
お題>容赦
レス>ほのぼのというかはただ仲良し!なだけですみません。それとCP要素はあるようなないような感じにしましたー。小金井なら、水戸部大好き!くらいは普通に言いそうです。リクエストありがとうございました〜。