気付いたら敦が小さくなっていた。元が大きすぎているからか、とても小さくなった気がする。ついでに精神年齢や記憶も小さく、というか幼くなったかと思ったがそれはなかった。まぁ精神年齢自体は元から幼いから変わらないか。とにかく、敦が小さくなったので僕はメジャーを用意した。今の敦ならばメジャーで大丈夫だと思ったからだ。敦に背中を壁にくっつけるように言う。ああ元の服も大きすぎているからすごく、ぶかぶかだ。可愛い。あとでちゃんと服を買ってやらねば。てか、敦を見下ろせる日がくるとか。
「赤ちん?」
 元と同じ半眼ながらも、敦が上目遣いで僕を見る。敦の上目遣い。可愛い。今まで経験してなかったから、余計に可愛い。しかも首を傾げている。敦。可愛い敦。
「ねー、赤ちんー。俺の身長ー」
「あ、ああ」
 うっかり意識が飛び掛かっていたのを引き止められ、すぐにメジャーの数字を見て、読み上げる。104センチメートル。僕と敦は目を合わせる。半分になっている。というか本当に小さい。と同時に、昔の敦はこうだったんだなと微笑ましくなる。メジャーを仕舞い、敦と目線を合わせるためにしゃがむ。敦が唇を尖らせた。
「しゃがまなくていいし」
「それ、いつもは僕が敦に言うのにな」
 むう。さらに機嫌を損ねたらしい敦の頭を撫でる。途端に敦の表情が柔らかくなった。やはり小さくなっても敦だ。頭を撫で、そのまま抱き締める。僕の腕の中にすっぽりと収まってしまう敦が、赤ちん、と小さく僕を呼ぶ。
「俺、赤ちんがずっとこういうことしてくれるなら、このままがいいかも」
 プラス、小さな手がぎゅうと僕の服を掴むオプション。これで何も思わない訳がない。これで理性がぐらつかないわけがない。つまり、僕の敦は最強に可愛い。



はーふ
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