今の状況になってしまった流れを確認する。いつものように部活を終え、紫原と帰り、急に雨が降って二人ともびちゃびちゃになって、紫原が「俺の家近いから、タオルとか」と言って、紫原の家に上がり、紫原より先にシャワーを浴び、上がったら紫原が「赤ちんのシャツとか乾かしてるから、しばらくは俺のん着ててね」と言われ頷き、俺と入れ替わるように紫原がシャワーに入って、そうして俺は今、紫原のシャツだけで紫原の部屋にいる。なぜだ、なぜ確認しただけで余計にやばい空気になったんだ。何もやばいこともやましいこともしていないしする気もないのに。紫原が普段寝ているベッドに座る。しまった、またなんだかやばい空気が。シャワーを浴びたばかりだというのに、汗が流れる。紫原のにおいしかしない部屋で紫原のシャツを着て。
 もう正直に言う。色んな意味で理性がやばい。まず紫原だから仕方がないとはいえ、俺がシャツイチなのは男としてアウトだろう。これは紫原以外の人間には見せたくない。そして、まぁ、こっちが本当に色んな意味で理性がやばいのだが、俺が紫原だらけだからだ。紫原の家、紫原の家のシャワー、紫原のシャツ、紫原の部屋、紫原のベッド、そして紫原。これで何も思わないほど、俺の理性は堅くはない。やはり人間というのは恋愛になると駄目だなとつくづく思う。それにしても本当に理性がやばい。ぐらぐらしている。据え膳状態だ。明日も部活だというのに。いや、しないが。何もしないが。今日は、何もしないが。



赤ちんのへんたいさん
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