別にバスケさえ出来りゃ文句なんてねぇよ、というのが青峰と火神に共通する想いなのだが、それでも二人はお互いがお互いの相手をしているときが一番楽しいと心のどこかで思っているのも共通した。しかも二人はそのことをまったく知らず、どころか自覚すらしていない。だからタチが悪い。
 ストバスで一頻り暴れた面子は各々が疲れたと口にしながら地べたに倒れたり、水分補給を取ったりしていた。しかし、青峰と火神は水分補給を軽く取ると、自分たちだけでワンオンワンをやり始めた。よくやるな、と誰もが呆れた。
「あの二人はなんなんスか……」
「バスケが好きなんですよ」
 黄瀬と黒子は水分補給を取りながら二人を見ていた。先程も休むことなく試合をしたはずなのに。青峰と火神はそんな疲れを一切感じさせないほどに意気揚々とバスケをしていた。黄瀬はため息を吐き、黒子は唇を尖らせた。
「僕は、あの二人が好きです」
「な、なんスか、急に」
「でも、あの二人が仲良くなりすぎたら仲良くなりすぎたらで、なんだかモヤモヤします」
 黒子の言葉に、黄瀬は目をぱちくりと開け、そしてそれもそうっスねと頷いた。黒子も頷く。だって、なんだか自分たちとしているよりも楽しそうで、嬉しそうで、生き生きとしている。だから、少しくらい妬いたって罰は当たらないはずだ。
 それでも黄瀬と黒子は青峰と火神の邪魔をしようという考えはまったくなかった。体力が追い付かないからではない。ただ、あの異様な仲の良さに入る気力がないだけだ。それと、あんなにも楽しそうに、嬉しそうに、生き生きとしている二人を止めるほど鬼ではないから。
「まさにあの二人の出会いがキセキっスね」
「まったくです」



お前が運命のキセキ
レス>足し算か掛け算かどっち付かずな青峰と火神というリクエストでしたが、なんだか黄瀬と黒子がでしゃばりすぎてすみません…。でもあの二人は周りから見たらそうとうな(ちょっと怪しいくらい)仲良しな気がしたので…。青峰と火神出せよ!という場合は殴り込みOKです。お祝いの言葉などありがとうございました!あ、あとそれと、もしかして桐子さん、サイトやられますか?違ったらすみません…。リクエストありがとうございました〜。
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