嫌な夢を見た。さつきが見知らぬ男と結婚するのだ。しかもさつきは、その見知らぬ男と共に宇宙へ旅立ってしまう。起きた時の汗のかきようは半端なく、試合の時とは違った緊迫感がどんっと身体を襲った。さつきが俺から離れてしまうのが、こんなにも怖いとは考えてもみなかったのだ。
 起きて汗や気持ちを落ち着けて3時間後にさつきがやって来た。どうやらいつものように俺が寝ていると考えていたらしい。呆気にとられたさつきが見れた。俺は夢での幸せそうなさつきが瞼をちらつくのをどうにか退けながら、なんだよと言った。すると、さつきは信じられないというふうに両手を頬にあて、信じられないと叫んだ。うるせぇ。
「んだよ、信じろよ」
「だって大ちゃんが……ええ!な、なんで!?」
 驚くさつきに夢のことを隠し、たまたまだと言っておく。しかしさつきはそれでも信じられないのか、昨日何時に寝たの?などと訊いてきた。最もな質問な分、答えにくい。なので、さつきの名前は出さずに、嫌な夢を見たと答えておいた。途端に、さつきが悲しそうな顔をした。
「さつき?」
「……もしかして、バスケが嫌になる、とか?」
「ばぁか。んなわけあるかよ」
 そんな夢を仮に見たら、俺はすぐにバスケをする。たぶん。
「じゃあ、なに?私、大ちゃんが見る嫌な夢なんてわかんないよ」
 失敗した。さっきので頷いておけば良かった。そう後悔しながらも、さつきが隣に座ってくることに安堵した。さつきの匂いがする。安心する。
「大ちゃん?」
「……俺の夢なんてどうでもいいだろ。つか、何しに来たんだよお前」
「あ、そうだった。ね、買い物行こ?」
「めんどくせぇな」
 そう言いつつも、さつきが自分を呼んだことにホッとする。さつきが見知らぬ男と買い物に行くなど、考えただけで気持ちわりぃ。だからまぁ、今日辺りにでもなんか買ってやるか。何も知らないさつきはケーキ屋に行きたいと言っていた。



かなりちょっとすこし好き
お題>女顔
レス>甘めな青桃というわけで青峰がいかに桃井さんが大切かを自覚してもらいました。そして青峰は桃井さんにそれを隠していたらいいです。けど桃井さんはわかっているので青峰が言わない限りは自分が言う!というスタンス。ちなみに青峰は桃井さんに指輪を買ってあげます。リクエストありがとうございました〜。
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