緑間はいつもテストで一位だ。話によると入試も緑間が最高得点を出していたらしい。高尾はそんな緑間に、やっぱ天才はちげぇなと軽口を叩いたが、緑間は淡々といつものように人事を尽くしただけだと爪を研いでいた。
 冬のテストでもやはり緑間が一位だった。春から変わらない記録に誰もが緑間は文武両道に秀でていると持て囃した。高尾もその内の一人だ。特に、緑間が勉学の点でも抜かりなく努力していることを誰よりも知っているだけにその熱は誰よりも高かった。しかし緑間はそんな高尾には何も言わず、自分が取得した一位という地位を眺め、こんなもの価値がないと呟いた。その言葉に、高尾は目を見開く。
「どゆ意味?」
 そこで緑間は高尾を見た。だが、それは自分を見てるわけではないのだと、高尾は直感した。きっと緑間は、誰かを見ているのだ。誰か、遠くにいる誰かを。
「ここで一位になっても、俺は赤司がいる限り真に一位になどなれない」
「……バスケ、だけじゃねぇの」
「俺は、テストでもあいつに勝ったことなどないのだよ」
 聞かなければ良かった。と高尾は思った。聞かなければ、何も知らないままでいられたのだ。何も知らず、緑間は凄いと普通に言うことが出来たのだ。そこそこ出来の良かった数学のテストをぐしゃりと握り締める。こんなものも、まるで意味がない。
「……試合、絶対勝とうぜ」
「……ああ」
 緑間は遠くを見ることをやめ、ようやく高尾を見た。それは高尾をライバルとしてではなく相棒として見ている目だ。高尾はそのことに悲しめばいいのか喜べばいいのかがわからず、ひとまず赤司に勝った暁には、躊躇うことなく緑間が一番だと言ってやろうと心に決めた。



お前が一番
レス>なんだか暗いような暗くないようなチャリアカーでした。赤司要素もとても微妙ですみません。とりあえずWC前設定です。 らんまいいですよね!女らんま可愛いすぎ。シャンプーは猫も可愛くて好きです。日記まで読んでくださりありがとうございます。そしてお祝いの言葉、リクエストありがとうございました!
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