やすともぉ、と甘えた声と共に赤茶色が荒北のベッドに潜り込んできた。窓の外はまだまだ黒い。赤茶色のせいで目が覚めてしまった荒北は潜り込んでくるそれにチョップを食らわしながら時計を見た。夜中の3時という無慈悲な時刻に、さらにもう一発チョップをお見舞いした。それでも赤茶色はめげずに布団の中で荒北を抱き締める。
「靖友、一緒に寝ようぜ」
「死ね」
 まったく嬉しくないお誘いをバッサリ切る。赤茶色は泣き真似をして、もっと荒北を抱き締めた。抱き枕代わりかなにかのようだった。
「おい、お前まじいい加減にしろよなァ、新開ィ?」
 離れようと赤茶色もとい新開をぐいぐい押してもびくともしない。パワーバーも食べていないくせにこの馬鹿力はなんなんだ。それとも筋肉か、筋肉のせいなのか。荒北は己の筋肉の少なさを若干嘆きつつ、新開の頭をバシバシ叩いた。うんともすんとも言わない。
「マジかヨ……」
 新開からは寝息が聞こえていた。



/うたた寝…?このあと荒北は諦めて寝る
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テーマ「人外ファンタジー」
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