悲しい、悲しい話をしよう。俺は今猛烈に泣いてしまいそうだ。というかもう泣いている。涙の野郎のせいで前が見えねぇ。希望も見えねぇ。ちくしょう涙め、俺から水分を奪うだけには納まらずに俺から希望を奪いやがって……はっ、待てよ、ということは今の俺には絶望しか待っていないのか?涙のせいで干からびたミイラになってしまうのか?なんということだ、まさかたかが涙ごときに絶望の淵に立たされるだなんて俺はなんてついていないんだちくしょう!なぜ涙は液体なんだ固体なら俺がバラバラに解体してやるというのにぃ!これもまさか涙の策略か!?形のないものを壊せない俺を知ってのことか!?なんてこった俺は今まで自分の敵は自分自身だと思っていたのに……あ、今の台詞カッコいいな。なんだ自分の敵は自分自身とか哲学みたいじゃないか。実は俺は賢いのか?やばい非常にワクワクしてきたぞ!これは楽しくなってきた!楽しい、楽しい話をしよう!俺はとてつもなく賢い!
「涙のくだりはどこいったんすかグラハムさぐはぶへあ!!」


ある男の悲しくも幸せな演説
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