今日は母の日なのだとカレンダーに書いてあった。私は基本的にカレンダーというのは朝起きたその日が何月何日なのかを確認するためだけのものであり、そこに行事とかが書かれてあっても関係ない。稀に、赤林さんがクリスマスにケーキをくれたりするけど、それは本当に稀だ。お父さんとお母さんが生きていた頃も今と変わらず、行事なんて関係なかった。むしろ、昔のほうが酷かったかもしれない。
 私は母の日、と赤い文字で印刷されたそれをぼうと眺めながら、そういえば罪歌も母親だったなと額縁の向こうで愛を囁く罪歌を思い出した。でも彼女の子供が、普通の人間みたく母の日だからという理由で何かをするとは思えない。するとしても、それはたくさん人を傷付ける事だから私が止めさせている。だけど、罪歌は仮にも子供から母さんと呼ばれているし。
 不思議と、私は罪歌のことを考えて、何をすれば彼女が喜ぶかを考えていた。不思議。



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