わたしはパパがこの世で一番好きです。
 そう言えば、パパをはじめとした大人たちは柔らかく笑うだけなの。でもお母様だけは、いつもわたしの言葉に睨んでくる。すごく嫌な話だけれど、お母様だけがわたしのことをよくわかってくれている。本当に、すごく嫌な話だけれど。そしてそんなお母様にパパはいつも可愛いなぁとわたしに向けられるものとは違う笑顔を向けるの。
 いいな、羨ましいな、なんて感情は玩具箱に詰め込んで、わたしはそれを見て早くお母様を倒さなくちゃいけないとそんなパパにくっつく。これはわたしが何歳になろうともわたしだけに出来る特権だ。こういう時、わたしはパパの娘という立場に産まれてよかった、て思える。そしてお母様にはわたしとパパを巡り会わせてくれたことだけを、感謝しておく。だから、だから早くお母様なんかくたばってしまえばいいのに。わたしはそればかりを願ってパパのキスを強請る。



お前にやる卵はないよ
お題>女顔
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