俺も人吉くんもお互い好き合っているはずで、一応恋人?なはずなのに恐ろしいほどに淡白な関係だ。というのも、俺も人吉くんもこれには理由があるから仕方ないと思っているからどうにも出来ないが。ちなみに言わずもがな、理由はめだかさんだ。
 俺はめだかさんが好きだ。愛している。というかは崇拝している。めだかさんのために死ねるのなら死にたい(ただしあの黒神めだか(改)とかは嫌だ)。そして人吉くんも、俺みたいに崇拝ではなく純粋にだが、めだかさんを好いている。愛している。だから普通なのにあんなにもめだかさんの隣にいよういようと頑張るのだ。
 そうだ、元を辿れば俺と人吉くんはめがたさんの隣に相応しいかで啀み合っていたのだ。なのに、気が付けば俺と人吉くんはめがたさんによって同じ生徒会に入れられ、共に過ごす時間がぐんと増えたのだ。だから俺も彼に心を許せるようになったし、彼も以前とは違った馴れ馴れしい態度で俺に接してくれるようになったんだ。
 やっぱりめだかさんは凄いな、素晴らしいな、女神だな、美しいな、愛しいな。つらつらと流れる言葉に人吉くんは相変わらず「何言ってるかわからない」といった顔をしている。ふん、君は十数年もめだかさんと一緒にいる虫のくせにわからないのかい?
「いや、わかるんすけど……つか、別に俺ら仲良くなれなんて言われてないじゃないすか」
「虫語はわからないんだ、悪いけど人語を使ってくれないかな?」



まっすぐに空を見れない
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