謙也の髪の毛に黒色が見えた。そういえば前にブリーチをしたのは結構前やったなぁ、なんて、本人でもないのにじんわり思い出していた。そんでたぶん、謙也はその黒色に気付いてないと思う。現に、今は自分ん家で飼うてるイグアナの話しかしてへん。一応相槌は打ったるけど、完璧がモットーな俺はずっと謙也の黒色に釘付けやった。黄色い頭に混ざってる黒色。これで白髪ん中の黒色やったら、羊ん中に紛れた狼やん。それに気付いて、思わず吹き出してまう。
「な、なんや白石。今の話おもろかったか?」
「あ、いや、なんでもないねん。続けぇ」
 手を振り、促す。謙也はなんや変な白石!と笑うてからまたイグアナの話を再開させた。俺の目は黒色やなくて、謙也だけを見ていた。



愛してる
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