液晶画面には男と女のセックスが映し出されている。女は男に性器を突っ込まれながら喘ぎ、男はそんな女の頬をぶちながらがつんがつん腰を打っていた。俺はそれを、ソファーに座りながら人識の野郎と見ていた。下手すればレンが知ったら怒るやもしれない光景だが、そもそもこれは人識が持ってきて勝手に点けただけなので、悪いのは人識だけだ。と結論づけて、俺は眠いと欠伸をした。
「んだよ、つまんねぇの」
 人識はそう言いながらも画面を見つめていた。そういえば人識はまだ童貞なのだろうか。うっかり家族の性事情に触れてしまいそうになり、慌てて頭から消した。なので俺も変わらずに画面を見つめた。
 肉にしか見えない。いつもいつも人間を見るだけで、呼吸と同じように殺してしまいたい衝動に駆られる。それが画面の中だけとは言え、服も着ずにあんな無防備なのだ。もし本当に目の前にあんな光景があれば、愚神礼賛でぶった殺してしまうだろう。
「なー、大将」
「なんだっちゃ」
「もしこれが目の前にあったら、大将殺す?」
 まさにそれを考えていたので、驚く。というか、まさか人識も同じことを考えていたというのに驚く。これが俺ではなく、レンなら今ごろ「うふふ人識くん私たちは今同じことを考えていたねさすがは家族だね以心伝心だね!」みたいになって逃げる人識を追いかけ回すことだろう。
「んなの、殺すに決まってるっちゃ」
「ふぅん、つまんねぇの」
「なんだっちゃ、なら人識は殺さないっちゃか?」
「かははは、俺?俺はねー、殺しはしねぇけどよ、2人の繋がってる下半身をぶった切るかなぁ」
「……悪趣味だっちゃ」
「かはははは!」
 液晶画面では女が叫び声を上げていた。男は黙っていた。そういえばこいつらゴムしてんのか?出来るのならば孕まなければいいと思った。



レモンをかじる
お題>女顔
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