大きなお腹の内側に、何かが動く気配がした。私はすぐにお腹を撫でていた手を離し、すぐそばで私にココアをいれてくれているクレアの袖を引っ張る。クレアはすぐに私の顔を見て、そしてとても嬉しそうに笑って大きなお腹を撫でた。
「そうか、蹴ったか」
 お腹を撫でる手つきはいつも私に触れるものと少しだけ違う。それに少しだけ嫌な気分になったが、クレアがお腹の子をきちんと愛してくれているのだとわかれば、そんなものは一瞬で消えてしまった。
「男かな?女かな?」(さぁ、どちらかしら)
 いつの間にかクレアがお腹に頬ずりをしている。子供みたいな顔。愛しい。お腹の子も愛しいけれど、やはり私はこの世で一番クレアを愛しているのだと、改めて感じた。クレア。



貴方が一番好きよ
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