生徒会に入ってから人吉くんの虫っぷりは磨きをかけていた。何をしていても虫だなぁと思うくらいには彼は虫だった。いっそ微笑ましくなるほどに虫だった。しかも花の世話をしているから益虫だ。しかし虫には変わりはない。こんな虫にも優しいだなんて、めだかさんたら!改めてめだかさんの器の広さを知り、胸を打たれる。生徒会に入ってから毎日毎日めだかさんの素晴らしいその存在感に胸を打たれる。めだかさんと同じ空気を吸ってるだけで幸せだ。
「だから本当に君は花にとっては益虫かもしれないけれど、そうじゃなければ単なる寄生虫じゃないか」
 めだかさんがいない生徒会室は呼吸しにくい。逆に虫と一緒にいるから空気が淀んでいるような気がする。俺がいなかった間、めだかさんはこんな過酷な状況にいたのかと思うと、胸が痛む。なぜ俺はもっと早くにめだかさんに会いに行かなかったのだろう。激しく後悔するが、今からでも遅くないことを目の前の虫を見て安心する。
「だから虫には虫除けスプレーをかけなきゃね」
 虫は呆れた顔をしていた。どうやら俺の手に持つ害虫駆除用の文字が気に入らないらしい。そうしてから、虫はため息を吐いた。
「小学生か、あんた」



くそがき
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -