▼夏の誘惑











『黒いレースのビキニか、ドット柄のフリルのビキニ。
どっちが良いと思うー?』







「もち黒!…ってか海にでも行くわけ?
オレも行きたいさ!!!」

『ばかうさぎやろう、任務に決まってんじゃん!』







黒と水玉の水着を手にし、
オレとジジィの部屋にやって来たと思えばコレ。

ばかうさぎやろうとは聞き捨てならねェ!
●●の水着姿、見れるもんなら見てェに決まってる。
とりあえずジジィが居なくて良かった!








「いやいや、そんな美味しい任務、一っ言も聞いてないさ!」


『え、何、美味しいって。』




美味しいに決まってるさ!!!
そう言いつつオレから逃げ出そうと出ていく●●の腕を掴み、
引きずって中に入れる。

部屋の壁に彼女を凭れかからせて、その前に立つ。
頭一個分背の低い●●は必然的に上目使い。
少し苛立っているオレの空気に気付いたのか少々眉を顰めていた。







「誰と行くんさ」


『ユウと。』


「何しに」


『イノセンス回収に。』


「なんで水着が必要なんさ!!!」


『海ん中に有るからに決まってんでしょ!!!』







いやいやいやいや!!!
有り得ねェ!!!
なんでその相手がユウなんさ!!!
コムイマジで覚えとけ。
いや、待て、今から頼みに行けば変更きくんか!?





「きかねェよ、馬鹿兎が」
























いつの間に入ってきなさったかは不明だが、
超機嫌の悪い超殺気立った声を発してらっしゃるは我らが神田様。
腕を組んで此方を睨んで舌打ちを贈られた。






―――ヤベェ、見つかっちゃった…。






さっき鍛錬場に入って行くのが見えたから大丈夫だと思ったのに!!!





『ラビって酷いんだよ、相談しに来ただけなのに!』

「…ハッ」





勝ち誇ったかのように鼻で笑い、少し怒りながら出ていく●●の後追うユウ。
その姿を目で追えば、見せつけるかの様にこっちを向いて不敵に笑ってみせた。





そう、勝ち目があるのかは不明だが、教団トップイケメンの彼と想い人が同じなのだ。
良くも悪くも五分五分って状況は時として焦りを与えてくる。



ソレは彼が本気を出せば、完全に負けると無意識下で自覚しているかのよう。






「ぜってェ、邪魔してやる!」






神様仏様コムイ様!なんて叫びながら、指令室に駆けていった。











End

(あのイノセンス、アレン君が回収してくれたから海行き無しね)
(モヤシめ…!!!)
(水着用意したのに!)
(よっしゃぁぁぁぁ!!!)


.




□あとがき□


よくわからん話に!!!!
水着特集見てたら思いついたよくわからん逆ハー?な話が出来てしまいました…。

ラビ焦りすぎって言う。





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