▼Addicted








私の半分は貴方で出来ていて、
貴方の半分はアタシで出来ている。



そんな夢を見た。







addicted











電気も付けずフローリングの上で
ただただ隙間を埋めるように抱き合った。







絡めた指から溶け合って、
規則的に鳴る鼓動も1つになって、
合わせた唇から貴方の息を吸って、
微睡みの中、世界が終わってしまえば良いのに。





『すき』




幾ら愛の言葉を吐き出しても足りなくて、
どれだけ触れあっても、
キスをしても、
抱き合っても、
決して一つには成れなくて。


確かめるように貴方の心臓に耳を当てれば、
アタシと違う脈が肌を打つ。










ねぇ、一人じゃなくて、
二人の方が寂しく感じるのは、
アタシは貴方で無くて、
貴方もアタシじゃない。

永遠に。






くっ付けた肌が心地良いけれど、
溶け合えない。

カーテンから漏れる光が段々薄暗くなって来て。

一日が終わろうとしてるのに、世界は終わってはくれなくて。

どうしようもない感情が渦を巻く。













「●●、何故泣く?」



それでも耳を優しく愛撫する聲は
アタシを堪らなく幸せにするんだ。



降り注ぐキスの雨が優しくて。

揺らぐ視界の中の真斗は、
零れた涙をも愛おしげに掬い取る。



『すき』



そう言って腕を伸ばせばまた隙間を埋めるように触れてきて。

譫言のような“すき”を繰り返せば、
譫言のように●●と降る聲。





酷く幸せ。




誰も触れない二人だけの夢が続いたら
まるで祈りにも似た愛を。



ずっと覚めなければ良いのに。

このままずっと。





(二人熱に溶けてしまいたい)

end

20111016




好きな歌を聞きながら書いたのに、
微塵も表現できてない…。

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