夏祭り(鬼道×佐久間)

「…鬼道、今日予定空いてるか?」
「空いてるけど何かあるのか?」
「ん、いや、一緒に夏祭り行こうかと思って。」
「夏祭り…?」
「ああ。」

そういえば今日だったか。

春奈は今年何も言ってこなかったが…
今年は誰と行くんだ…???
後で聞くか…

「せっかくだし、行こうぜ鬼道。」
「え、ああ…そうだな。」
「じゃあ、●時に●●集合でいいか?」
「分かった。」

俺が快諾すると佐久間は
嬉しそうに微笑んで「後でな!」
と言って去った。

数時間後、
俺は普通に目的地へ向かった。

待ち合わせ時間より5分ほど早く着いた。
少し遅れて佐久間も到着。

「間に合った…。もういたのか鬼道。」
「さっき着いたところだが。」
「そっか。」
「…じゃあ、行くか」
「おう。」

祭り会場は、予想していた以上に人が多かった。
歩く幅くらいしかない。

「人…多いな」
▼反応がない
「…?」
▼反応がない
「…佐久間!?」

あまりの人の多さに佐久間とはぐれてしまったようだ。

「佐久間…?!」
俺は不安になって、立ち止まり、
名前を呼びながら辺りを見回すと、
「…ど……鬼道…!」
騒がしい中、微かに、
だが確かに聞こえた。
俺を呼ぶ佐久間の声。

「佐久間…!」
「あー、よかった。もう少しで迷子になるとこだったよ。」

いや、俺達軽く迷子だったぞ。
…というのは口に出さないでおいた。

「また迷うのは嫌だな。」
そう言って俺はさり気なく佐久間の手を握った。
「…!!」

佐久間は一瞬驚いたようだが、
俺は気にせずそのまま佐久間の手を引いて歩いた。

時々迷子になりかけながら。

「俺から離れるなよ佐久間…」
俺はそう言い急に佐久間を抱き締めた。
「…?!!!!////」
「お前がいなくなったら困るんだ。」
「…どういう…?」

「佐久間は俺の大切な人だからな。」
そう言いかけた時、
幾つもの大きく綺麗な花火が打ち上がった。



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