守るべきもの
最近薄々感じてはいたんだ。
お前が無理をしていたこと。
けど…
………。
…守れるはずだったのに。
守れなかったんだ…
俺が頼りないばかりに。
俺が頼りないばかりに、
お前をこんな目に逢わせてしまった。
お前が今までどれだけ苦しんできたのか
分かっていたつもりだったのに。
頭で分かっていても行動出来なかった。
こんな俺だけど、
お前は変わらず俺に接してくれるのか?
こんな俺に……
お前を守ることができなかった俺。
あの日、約束したのに。
『絶対お前を守り抜いてみせる。』
『何があっても守ってやる。』
そう約束したのに…………
俺があの約束を守れなかったから、
お前が大怪我を負って。
もう少しで死んでいたところだった。
そんな大怪我を。
全部、俺のせい。
守りたい人を守れない。
約束を破った=裏切った。
大怪我を負わせてしまった。
俺は男としても、人間としても最悪だ…
俺は…これからどうするべきなのだろうか…
この罪は償えるようなものではないし。
俺は…俺は………一体どうしたら……
何も変わらないのは分かっていたけど、
どうしようもない、
このすごいモヤモヤした気持ちを、
一時的にも晴らすために
思い切り壁を殴った。
[mokuji]
[しおりを挟む]