少しいじってみた。

少し離れた所に少女が1人、こちらをじっと見つめて立っていた。

「…苗字、何か用かい?」
「いえ、別に。」
ないなら私を見つめるな。

彼女は最近ずっとこんな調子だ。
何なんだ一体。
視線を違う場所へ移し、ふと彼女に視線を戻したら、そこに彼女はいなかった。
…特に気にすることはなかった。

−−翌日。
また同じように少し離れた所から彼女はこちらを見つめていた。
またか、と思い昨日と同じ質問をしてやろうと思ったとき、
「…あの、涼野さん。」
「何だい?」
「えっと…アイスが好きだと伺ったので…アイス、買ってきたのですが…どのアイスがお好きか分からなかったので…色々買ってしまって…その…えっと…」
「…で、最終的には何が言いたいんだい?」
「簡潔に申し上げますと、沢山アイス買ってきてしまったので、一緒に食べませんか?」
簡潔に言えるなら最初から簡潔に言ってほしい。
「…そうだね。」

「…1つ、質問してよろしいでしょうか。」
「いいけど?」
「何故、アイスがお好きなのですか?」
「それは…美味しいからに決まっているだろう?」
「そ、そうですよね。」
何か面白い理由でも求めていたのかい?
私がそんな面白いことを言う奴だとは思わないだろう?

「…あの、もう1つ質問して良いでしょうか。」
「別に構わないよ。」
「えっと…顔、近すぎませんか。」
「いいじゃないか。私の自由だ。」
「そうですか。」
彼女はすごく緊張しているようだった。

「…アイス買ってきてくれたお礼。」
と先に言っておいて、彼女は発言したかっただろうが、その前に少しの間、口を塞いでやった。
彼女は面白いぐらいに顔を真っ赤にしていた。…耳まで真っ赤だ。
そして目がうるうるしている。泣きそうだ。別に気にしないけどね。

「△※ΦЁ□Дξ◎*…!!」
「とりあえず落ち着いて日本語を喋ろうか。」
ひーひー言いながら何かを訴えようとしていた。だから日本語を話そうよ。何を訴えているのか全く伝わってこないよ。
「×αβψΥ※ЮЫあばばばば…」
「だから落ち着いてってば。」

それから彼女を落ち着かさせるのに小一時間くらいはかかっただろう。
落ち着いてからは、疲れたのか、いつの間にか横で寝ていた。
…面白いね。また今度遊んでやろうかな、と考えながらハーゲンダ●ツを口へ運んだ。


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