whiteXmas

部活も終わって源田達と下校してる最中、部室に忘れ物をしたことに気付いた。
なのでわざわざ取りに来た。

こんな時間に誰もいない筈だが、電気がついているのでとりあえず中に入った。

ふと机を見たら、女子が俯せていた。
マネージャーだ。

どうかしたのかと近付いてみたら、すーすーと小さな寝息をたてていた。

風邪引いたら適わない。
俺のロッカーの中から替えのジャージの上着を出して、彼女の肩に掛けておいた。

「…………佐、久間………」
「…?!」

不意に名前を呼ばれたので驚いてしまった。

…どうやら寝言らしい。
また寝息が聞こえたから。

いつも通り特に何もないクリスマス。
窓の外を見たら雪が降っていた。

「……今年はホワイトクリスマスか…」

こんな日くらい自分に正直になったって
いいんじゃないのか?

そう自分に言い聞かせて。

「…大好きだ名前…2年前からずっと。」

もう辺りには誰もいない筈だし、誰にも聞かれていないと確信したら、気持ちを告白していた。

彼女にも伝わっていないのは承知。

「メリークリスマス、名前。」
そっと彼女の頬にキスをして、
部室から去った。


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