花祭り まだ寒い日が続きますが、少しずつ日も長くなって暖かさを感じられる日も増えてきました。 そんな中、クラージスではもうすぐ春を祝う花祭りの期間に入ろうとしています。 町中に花を飾り、大切な人に花を贈って皆で楽しむその祭りは、寒い冬に暖かい日差しをじっと待っていた人々には毎年楽しみの1つでした。 そんな訳で、最近はコウノトリの花屋にも準備で花を頼みに来る人の影が多くなってきています。 「…もうすぐ春だね」 「ああ」 ふと、何人かいたお客さんの波が落ち着いた時、遊びに来ていたオニキスに店主が言いました。 「今年もお前は忙しくなりそうだな」 「まあ、慣れてるよ」 少し大変だけど、なんて言いながらも、シュトルヒはどこか楽しそうに今も花束を作る手を休めません。 友人のそんな様子に、兎は静かに目を細めて立ち上がりました。 「あれ、もう行くのか?」 「ああ。邪魔をしても悪い。…その内花も頼みに来る」 「…へえ? 珍しいね」 いつもはスルーするのに。 なんて不思議そうな口調ながらどこか笑いを含んだ声に、気が向いただけだ、と、振り返らずほんの少しだけ笑ってオニキスは軽く手を振ります。 「じゃあまた…春の女神の名により、そなたに祝福を」 ――――――― 2/21〜4/7までのテーマは「花祭り」になります。 春を祝って町の人々はあちこちに花を飾っています。また、大切な人に花を贈る風習もあるようです。 暖かくなった日差しを楽しみつつ、皆さんの春を過ごしていただければ、と思います。 (3/21 期間延長しました) [Top] [Back] |