「おや?珍しい。お一人ですか?」 彼に用があって部屋に入ると、そこにその姿はなく、代わりにいつもそばにいる少女がソファで本を読んでいた。私が近づくとゆっくり顔を上げる少女。 「うん。聖護さん、外の様子見にいった。」 どうやら彼は外の偵察にでているらしい、普段は自ら動くことが少ない彼が動き出したということは、いよいよ事も大詰めということか。 「そうですか…こんな小さい子を置いていくなんて旦那もひどいことをする」 少し間を空けて隣に座りながら、くつ、と笑えば、「…危ないから、ここで待ってなさい、て言われただけ」と、少しむすっとしたような声が返ってくる。まるで槙島の旦那を責めるな、と言っているようで、思わずまた笑みがこぼれてしまった。 「…チェ・グソン、」 「はい何でしょう?」 「…一体何を、考えているの」 しばらくの間むすっとした表情をしていた彼女の顔がふとまじめなものになると同時に思ってもいなかった言葉を投げかけられ、驚きで眼が薄く開く。 「…聖護さんの考えてることは、わかりにくいけど、わかる。けど、あなたの考えていることは、…わからない。」 そう言ってうつむきながらぽそり、ぽそりと呟く彼女との距離を静かにつめる。うつむいたままの顎をすくい取りゆっくりと上へ向かせると、ゆれる義眼を澄んだ瞳に絡ませた。 「…私が何を考えているか、知りたいんで?」 息がかかりそうなほどの距離でそう呟けば、ほんの少し強張る身体。 ゆれる瞳はゆっくりと閉じられ、小さな呼吸の後おずおずと言葉が吐かれる。 「…知りたくは、ない。」 けど、と続いた言葉と同時に再び開かれる瞼。 「聖護さんのことを傷つけるような真似、しないで、」 その瞳は先ほどとは違い強い光をおび、まるで警告するかのような鋭さを放っていた。 「…わからない、と言っておきながら本当はわかってるんじゃありません?」 そう言ってふふっと笑えば何ともいえない表情になる彼女。 「ああでも…あなたの悲しむ顔は見たくありませんから、」 さて…どうしましょう? -------------------- 槙島さんに立ちまくったフラグを全力で考えてたらチェ・グソン夢になっていた罠← あの人髪解いてラフな格好したら色気やばそう |