壁ドンする宮地先輩

この人の沸点の低さだけは未だに測り損ねてしまう時がある。
短気だからキレないようにギリギリの線でからかってはいたが稀にどこで地雷を踏んだのか分からない時があるから困ったもんだ。
それすら楽しむ俺は更に困ったもんだ。
悪い気はしないからこの状態を常に維持していた俺だけどいつの間にかその先輩とは恋人の関係になっているから人生って何があるのか分からない。
それも結構な変態だったと知った日には人生の選択肢を間違えたんじゃないかって本気で考えた。
秀徳バスケ部は今日も今日とて練習に励む部員で溢れ返っている。
俺もその中の一人、体中の水分が汗となって噴き出す程に動く。
汗をかく事は嫌いじゃない。寧ろ好きだ。
自分はこれだけ頑張って身体を動かしている証拠みたいなものだから。
大坪サンのでかい声が響き渡る中、ミニゲームを行っている。
俺のチームにはうちのエース様が居てパスを回せと要求されているからボールを奪い視野の広さを活かし上手く真ちゃんへ絶好のパスを回す。
おーおー今日も綺麗に決まるよな。
やっぱ無駄にループ長いけど。
「真ちゃん、なーいす」
「当然だ」
「今日って蟹座の運勢良かったか?」
「2位だったな。だが問題ない。ラッキーアイテムで補正」
「よーしもう一本決めようぜ」
その先は聞かなくても分かってる。
何なら声真似付きで言ってやってもいいぐらいに聞いてきた。
言葉を遮られて不服そうな真ちゃんを横目に俺はコート全体を見渡す。
あー、宮地サンはそこなのね。
どうしても俺の視界はあの人を捜してしまうみたいで嫌になる。
末期だこれは。言ってやらないけど。
俺ばっかり好きなのは何となくと言うか嫌だ。
先輩なんて俺にからかわれて余裕なくしてれば良いのに年上だからとか言って恋愛に関して余裕な表情を見せられると悔しくなる。
俺って相当な負けず嫌い。
ボールを奪うと宮地サンがバックチップを決めようと動いていた事が分かって俺はすぐに向きを変えた。
「っ、高尾、てめー轢くぞ」
「流石に宮地サンでもこれは渡せねー」
あっぶねー。
やっぱりこの人はレギュラーなだけあって上手い。
気を抜けばすぐに向こうのペースになる。
物騒な事を叫ぶ宮地サンに他の一年生は気迫で負けるんだろうけど俺はそんな簡単にやられる訳にはいかねー。
暫くしてホイッスルが鳴り響き片付けの指示が入る。
そう言えば今日は完全下校の時間が早いんだっけか。
タオルで汗を拭うと突然後ろから小突かれた。
「お前さっき手ぶつけられてただろ平気かよ」
「あー…」
試合中に接触してしまい俺の広いデコに相手の手がぶつかってしまった。
痛みはそんなにないからすぐに試合再開をして貰って続行してたわけだが。
「今宮地サンが叩いたところの方が痛いんすけど」
「アホか。ちょっと見せてみろ」
おどけた調子で返してもノってはくれず宮地サンのでかい手が俺の顎に添えられて乱暴に上を向かされた。痛い。
なんか首がグキって鳴った。
俺のデコを何度か撫でては指先で軽く押して此処はどうだって聞いてくる宮地サンに大丈夫でーすって返すと手のひらで何度も叩いてきた。
「いて、いてー暴力反対っ、デコが陥没する」
「そんだけ軽口叩けるなら平気だな」
いつもの黒い笑顔じゃなくて爽やかに笑って俺のデコを撫でるから一気に恥ずかしくなった。
つーか此処体育館じゃん。
皆が片付けしてる中俺ら何やってんの。
慌てて顎から頬に回っていた手から逃れて俺はタオルで顔を隠した。
なんで、この人こんな事平気でしてくるんだよ。
あれか部活の先輩と後輩だからこれも当たり前なのか。
いやいや違うよな。
俺の認識は間違ってねーよな。人前で何やってんだよ。
「宮地ー高尾ーイチャついてんな」
「は、ぁ?木村サン何っ」
「おら行くぞ。一年は片付けサボんなよ」
「あ、んたがっ!」
悪いんだろうが。いきなり心配してきたと思ったら笑うから。
っくそ、何で俺ばっかこんな振り回されてんだよ。
背中を痛いぐらいに叩いて宮地サンは木村サンや大坪さん達と片付けを始めるから俺は声にならないぐらい声で文句すら言えず目立つ緑色を捜す。
ボールを片付ける真ちゃんは俺の方を見て、正しくは俺のデコを見てた。
なんなんだ。今日は。
そんなに俺の晒してる部分が気になるのか。
「一応冷やしておけ。明日になって痛みが来る場合もあるのだよ」
まさか心配されるとは思ってなかった。ちょっとへそを曲げてた俺は少しだけ気分を浮上させ、それだけ言うと片付けを再開する真ちゃんに近付く。
「真ちゃんやっさしー」
「気色悪い事を言うな。」
だってあの真ちゃんがまさかチームメートの心配するとか結構な進歩なんじゃねーの。
俺としては素直に嬉しい訳なんだよ。
笑いかけても反応なんてないけど春より格段にチームが一つになった感覚が俺には何だか認められた様でむず痒い。
最初はただ面白い人たちだなって思ってただけなんだけど。
その時、ふと視線を感じて体育館の入口を見れば宮地さんとばっちり目があった。
首を傾げてみても何の反応もなく出て行く姿に俺は更に首を傾げる事となる。
一つ分かったのは機嫌が悪い。
部活が終わった後に聞けば良いか。
まだ転がっているボールを片付けて部室へと向かう。
まだ完全に冬になった訳じゃないけど頬に当たる風は冷たくなった気がした。
短い秋って言葉が本当によく似合う今年の気候。
もう少しでマフラー着用も許されるかなーなんて思いながら俺たちは部室で着替えを済ませた。
高校生にもなって学ランの下にジャージを着るのは有りか無しかって会話をしながら廊下を歩いていると俺はいきなり後ろに引っ張られた。
「っ、わ」
「おっせーよ」
「み、やじさん、くるし」
下駄箱まで来ると俺は首根っこを掴まれて振り返らず相手を特定した。
聞き慣れた声だったからすぐに分かる。
いつもなら俺が真ちゃんに言う言葉を言われてしまい俺は息苦しさで若干涙目になりながら後ろを窺った。
「帰んぞ」
「へ、へーい。って、ちょっと進む所ちが」
「またな高尾」
「おいおいおいおい真ちゃん、ちょっとはツッコめよ」
「おー気を付けて帰れよ緑間」
なんであんたが答えるんだよ。
下駄箱とは反対の方向にずるずると連れて行かれ俺は引きずられるまま。
なんでいきなりこんなことになってんだ。
自分で歩こうと宮地さんの学ランの裾を掴めば勢いよく止まった。
「?ど うしたんすか」
「……俺が聞きてーよ」
漸く解放された俺は軽く咳き込み宮地さんを見上げる。
やっぱでかいよなー真ちゃんとそこまで変わんねーもんな。
不思議に思い、じっと見つめれば今度は手を掴まれ体育館の方へ連れてかれる。
一体何だってんだ。
忘れ物でもしたのかよ、この人。
「宮地さーん、どこ行くんですか」
「体育館だよ」
「何で」
「何でも」
「理由」
「自分で考えろ」
さっきより静かな廊下を煩い俺たちが早足で進んでいく。
幸いな事に注意する先生も居なくて職員会議でも始まったのかもしれない。
だから早く帰れって事なんだろうけど。
それでも特別に許しが出てる部活もあってバスケ部も申請を出せば部活動延長が出来るけど昨日練習試合もあって大坪さんが休む事も必要だって言うから今日は早めに切り上げたんだが、まさか宮地さん、練習するつもりか?
あの真ちゃんでさえ今日は早く帰りたいとか言って大人しく帰宅したのに。
夕日に染まる廊下で前を歩く宮地さんを見ればふわふわとさらさらの中間みたいな蜂蜜色の髪が揺れている。
普段なら絶対に繋げない場所で手まで繋いでる事実に気付いた俺は一人で馬鹿みたいに顔が熱くなった。
「どうした」
「…っ。いや、別に」
部室に連れてこられた俺は調度西日が差し込む室内に目を細めた。
宮地さんの顔がすごく近くにあって驚いたけどどうやら俺の顔が赤いのには気づいてないみたいだ。よかった。
手は繋がれたまま顔を近付けて来るものだから俺は反射的に距離を取る。
なに、近い近い。
後ろに下がってもこれ以上はロッカーがある。
あ、ここ宮地さんのロッカーじゃね?
「逃げんな」
「だって」
「だっても何もねーだろ」
「っん、」
は?え、何。どうして俺はキスされてんだ。
容赦なく触れてきた宮地さんの唇から逃げようと身じろいでも手はそのままにもう片方の腕が俺を逃さないようにとロッカーに添えられた。
前は宮地さんで塞がれ前進なんて出来ず後ろはロッカーでこれ以上後退も出来ず横には宮地さんの腕があってすり抜ける事も出来ない。
手を繋がれたままと言う時点で逃げる選択肢は消えていたワケだが八方塞がりの状況に俺は目を白黒させた。
まじ何これ。
目を閉じてキスをする宮地さんに対して閉じるタイミングを逃した俺は間近にある顔を見ていたが唇が離れる時にばっちりと目が合ってしまった。
「おい。目ぐらい閉じろ」
「いきなり、するか…っんん、ぅ」
この人俺と会話のキャッチボールをする気がない。
今度は噛み付くように唇が塞がれ容赦なく唇を舐めるものだから俺は素直に口を開いた。
「は、ぅ、」
口内に潜り込んだ舌は俺の舌を舐め、その感覚だけでぞわりと肌が粟立つ。
何度も舌を絡め宮地さんの口の中まで連れていかれると強く吸い上げられ俺の目尻には涙が浮かぶ。
ん、これ、きもち。
俺も負けじと絡ませて応える体勢に入ろうにも上顎をなぞりあげられまた強く吸われてしまえば腰が砕けてしまいそうになる。
いつの間にか握っていた手もロッカーに縫い付けられ指を絡ませたと思えば宮地さんの指が俺の手をなぞり始める。
な、んで、この人、こんな、えろい事ばっか。
「はぁ、ぅ・・・んぁ」
「はっ…」
耳に届く吐息と唾液が混ざり合って時折吸われる音が部室に響いてイケナイ事をしているんだと俺の脳が感じた時には下半身が熱くなっていて健全な反応に何処かうんざりとした。
学校の中でそういう雰囲気になったのはこれが初めてだ。
困惑する俺に構わず宮地さんの指先が俺の指の付け根をなぞり舌を噛む。
んん、それ、ほんと、だめ。
「ふぅ、っ……ぁ、みゃ、じ…さ」
「っ、んっ…はぁ、っ」
「ぁ、はふっ、ん、くるし、はぁ、」
足が震え出し立っていられなくなるって意思を伝えたくて宮地さんの学ランを掴めば漸く唇が解放される。
口の端から飲み込めなかった唾液が伝ってきたが夕日に染まった宮地さんの顔を見上げながら新鮮な酸素を取り込んで息を整える。
「…お前な」
「ふ、……はい?」
宮地さんの唇が俺の額に触れる。
じんわりとした唇の感覚にそれだけで体が熱くなった。
さっき叩かれた箇所なのにそこから溶けてしまいそうだ。
何とか息を整えようとする前に瞼や耳にまでキスをされて擽ったい。
まだ逃げられない体勢のまま顔中に口づけられ俺は気持ちよさでどうにかなってしまいそうだ。
「俺を煽るな」
「んっ、あおってなんか」
「煽ってるっつーの。さっきは緑間なんかと仲良くしやがって」
なんかって、ひでー。
さっきって言われても常に一緒に居るからどの時か自分で考えないといけない。
部活中を思い出し何となく察した。宮地さんと目が合う前のやり取り、か?
それより前は機嫌なんか悪くなかったからきっとそれだ。
「宮地さん」
「なんだよ」
「嫉妬…とか?」
だったら良いなーって願望を口にしてみる。
するといつも俺より余裕のある表情をする宮地さんの顔が歪んだ。
あ、あれ。これ、マジ?
「……・・・」
「え、まじ、すか」
「嘘だって言って欲しいなら言ってやろうか」
「いやっ嫉妬が良い!」
黙り込んだ先輩を見上げれば夕日が差し込む中でもはっきりと分かる色をしていた。
あ、これ俺もさっき真っ赤だって事バレてたんだ。
いつもと違う、初めて見た表情に嬉しい以上に何故か俺まで恥ずかしくなって二人して顔が赤いなんて妙な状況になってしまった。
「仲良くすんなとは言わねーけど…あー、もう何でもねー」
「俺が好きなのは、宮地サンだけなんですけど」
真ちゃんは相棒で友達だ。
それを真っ直ぐに伝えると宮地さんは目を大きくさせた後にまた俯く。
反応がないのが怖くて顔を覗くより先に俺の肩に顔を埋められ肌に触れる髪が擽ったい。
「分かってる」
小さな声でそれだけ。
本当に耳を澄ましていないと聞こえない音だったが静かな室内でそれを拾うのは容易で俺は口元を緩めた。
耳まで真っ赤になってるんだろうな。
恥ずかしいけど悪くない。
俺の手をなぞっていた指に自分から指を絡めて握り返すと宮地さんの纏う空気が変わった。
「・・・み、宮地さん?」
嫌な予感しかしない。
これは俺が此処数ヶ月で学んできた。
自分の身に危機が染まった時に感じるものだ。
顔が見えない相手が今どんな表情をしているのか見えないから俺は冷や汗をかいた。
もぞもぞと相手が動くと首に小さな痛みが走る。
首筋を噛まれたと思った時には遅くて今度はざらついた舌が噛んだ箇所を何度も舐めていき宮地さんの足が俺の足の間に入ってきた。
「宮地さっ、んぁ」
「お前、ほんとに俺を煽るよな」
「は、ぁ?煽ってなんか、ぁあ、んっ……いき、なり」
割って入ってきた足はそのまま俺を支えてくれるものとなったが、いきなり下半身を撫でてくるとか反則だ。
完全に熱が引いていた訳ではなかったから触れられると容易に反応してしまうそこが憎い。
好きな人に触られたら嫌でも反応するっての。
嫌じゃないけど。
第二ボタンまで開けていた学ランのボタンを全て外されたと気付いた時にはシャツの上から肌を撫でる宮地さんがいて早業に驚く暇なんてなかった。
「んんっ、ぁ……ここ、部室」
「分かってるから連れてきたんだよ」
「はぅ…っ!」
真っ平らな楽しくない胸を撫でている手が突起を摘んで俺は堪らず声が出た。
毎回弄られるせいで今では敏感に快楽を拾い指で何度か擦られるだけでぷっくりと立ち上がるものだから俺は恥ずかしさで居た堪れなくなる。
男の胸が好きとかホント変わってる。
「だれか、きたら・・・っんぁ、あ」
「んっ、会議終わるまで近寄らないだろ」
「あっ、ぁん、ゃ…」
学ランの下に着ていたシャツのボタンも外されてしまい直接肌に触れた指先が俺の突起を挟みもう片方は不意打ちで舐められる。
飴でも舐める様な舌使いに俺の腰は震えて上手く話せなくなってきた。
今日に限っていつもより体が敏感でどうして良いのか分からない。
慣れない場所だからなのか誰か来たらどうするんだとか不安材料が俺を興奮させるみたいだ。
「ふっ、ぁ」
「俺を煽ったからには覚悟しとけよ、お前が可愛すぎて帰るまでもたねー」
「え、ちょっ…あっ」
口から解放された突起を摘まれる。
痛みと共に熱が生まれて俺の下半身、熱が集中する場所が震えて仕方ない。
ガクガクと震える足は下に落ちる事なく宮地さんの足に支えられ、その触れる感覚ですら気持ちよくて仕方ない。
摘まれ熱い舌で舐められる度に俺の腰も動いて宮地さんの太ももに自らの熱を擦り合わせる。
うぅ、これじゃ変態だ。でも、すげーきもちよくて、とまんねー。
「気持ちよくて仕方ねーって顔」
「なっ、んなこと…っんあ」
「俺の足に擦りつけてる馬鹿が何言ってんだ」
あぁまた余裕のある表情だ。でも何処か焦ってるって言うか言葉では中々言えない色んな感情がごちゃまぜになった顔してる。
でも、ほんと、もう無理。
撫でられるだけの刺激だけじゃイける訳がない。
「みゃ、じ、さん…下、さわ、って」
「っんの、馬鹿」
「あ、あぁあ、ひぁ…、んぁああ」
胸の突起を執拗に舐める宮地さんの頭に震える両手で触れていつもより低い位置にある顔を見ればベルトを緩められ手が突っ込まれた。
待ち望んだ刺激に包まれただけで俺の先端から白濁の液が吐き出されだらしなく宮地さんの手を汚した。
もっ、しんじらんね。浅い呼吸を何度も繰り返しているとズボンを下まで脱がされ俺はロッカーの方へ向かされた。
慌てて宮地さんを振り返ろうとしたら調度下着から宮地さんも自分のモノを取り出している。膨らんで今にもイきそうなそれに俺は唾を飲み込む。
「おっまえ、ほんとになぁ。…俺もイきそうなんだよ」
いつもより余裕のない声が降りかかってきて俺の腰を掴んだ。
「え、ちょ、まだ、むりっ!」
この状態から挿れるとか無謀にも程がある。
俺明日の練習に出られない以前に座れなくなったらどうするんだよ。
慣らしもしていない孔に先走りで濡れた先端が触れて俺は本気で焦ったが暫くして宮地さんの熱いそれは俺の内ももの間に入ってきた。
「…取り敢えず、これで我慢するか」
「へ。なっ、ぁあ、あっつ」
「っ、ちゃんと、はさまねーと。そのまま挿れる」
「ぅあぁ、んんっ、…ぁあっ」
慣らしていない孔に触れていた先端が離れていきホッとしたのも束の間だった。
足の間に挟まれた熱が俺の内腿に触れ亀頭が裏筋や袋を容赦なく擦り上げる。
所謂素股だが初めての事で俺は崩れそうになる身体を支えるべく冷たいそこに手をつく。
腰は宮地サンが支えているけど気を抜けば崩れ落ちる。
達して萎えていた筈の俺のそれもまた勃ってきて先端から溢れ出る透明の液と俺が出した白濁の精液が混ざり合い卑猥な音を立てた。
内ももに力を入れていないと宮地サンの熱が挟めなくて普通にヤるより結構大変だ。
「はぁ、ぁああ、もっ、俺…っ」
「くっそ、きもちいいな……俺も、イくっ、はっ、はぁ」
普段触れる事のない部分をなぞり上げられて俺も懸命に腰を揺らす。
互いに触れる熱が気持ちよくて俺は自分の体を何とか支えて震える手で自分のそれと宮地サンのものを一緒に扱く。
ぅあ、な、にこれ。
「やっべ、もっ、出す!」
「ひっ、……ゃ、あぁああっ」
ほぼ同時に達した為か、いつもより精液の量が多い。
内股にも伝落ちイった反動で俺の体が崩れそうになったけど宮地サンに抱きとめられて二人同時に床に座った。
「はーっ、はぁ、…ぁ、はっ」
「はぁ、やっべ、汚しすぎた」
いつもより興奮した。
途中からと言うか全く声を抑える努力をしていないけど此処は学校で明日も普通に使う部室だ。
そんな場所で繋がってないにしても素股でイきましたって思い出した日には俺どんな顔で着替えれば良いんだよ。
まだ整わない息を繰り返ししていると宮地サンが俺の肩を掴んで抱き寄せてきた。
俺はもう抵抗する事なく体を預ける。
髪を撫でる手が気持ちよくて目を閉じると寝そうだ。
「寝たら殺すぞ」
「いてっ。めー覚めました」
「おー、良い事だ。お前はちょっと待ってろ」
後頭部を叩かれて眠気は姿を消した。
この人容赦なさすぎ。
むっとした態度と表情で答えるとデコにキスをされて衣服を整える。
それだけで少し機嫌がよくなる俺もどうかしてる。
一通り片付けた俺は今、宮地サンの自転車の後ろに乗っている。
いつもなら真ちゃんを乗せて走っているのだが今日は宮地サンの自転車で帰宅。
辺りはすっかり暗くなっていて周りに学生の姿はない。
住宅街を走り抜けていくその大きな背中をぼんやりと見ていると声を掛けられた。
「コンビニ行くか」
「腹減りました。宮地サン、肉まん奢って」
夕飯の匂いが立ち込める住宅街は腹が減った今、軽く拷問だ。
家に帰る前に力尽きてしまいそうで俺は調子に乗って宮地サンにおねだりをしてみた。
これ自転車に乗ってなかったら絶対に殴られてるパターンだ。
「仕方ねーな。一個だけなら奢ってやるよ」
「マジっすか。やったー宮地サン大好き」
周りに人が歩いていないのを良い事に甘えた声で大きな背中に抱きつく。
絶対に奢ってくれないと思っていただけに嬉しさ倍増だ。
食い物一つでここまでテンションが上がるのもどうかと言われそうだがタダ飯ほど美味いものはない。
力強く抱き着けばさっきよりも速度が上がった。
「お前、今日は俺の家に来い。決定だ。拒否権はねーぞ」
「え?はぁ?なんでまた」
いきなり言われた言葉に俺は混乱した。
明日は平日で朝練もあるって言うのに顔が見えない相手なだけに感情が読めなかった俺だがコンビニに着いて宮地サンの顔を見てすぐに分かった。
さっきと同じ余裕のない表情だ。
そう言えばこの人が素直に一回で終わるはずがなかった。
あぁ俺明日部活行けんのかなー・・・。

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