読書記録 | ナノ


∵ <特に意味の無い叫び


小川さんのほとんどのお話は、一人称により一定のテンションで淡々と静かに語られます。
そんな語り手の主人公目線から見た話の風景は、静閑で清潔、どこか作り物めいていて無機質的です。
その無機質な空間に、
食や性や死などの大概は人間が生理的に忌避する事柄について、不潔さを感じる程に生々しい描写が入った時の、凄まじい違和感。
そのコントラストによって生み出される、不快感と奇妙な美しさは小川さんの作品でしか感じたことがない独特のものです。

作り物めいているのに生々しくて、綺麗で気持ち悪い。
日常的な風景であるはずなのに非現実的。
淡々としているのに偏執的。
小川さんの書かれるお話は本当に奇妙で魅力的です。

余談ですが、
個人的には小川さんのお話はとても好きなのですが話の内容から好みは結構ハッキリ別れそうなので、彼女のお話が一般受けされるのって不思議だなぁと(悪意は勿論、他意はなく単純に)本を読む度そんなようなことを思ったりもしてます。

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