この美しくも残酷な世界でどうかわたしを(リヴァイ)


※ヒロインが変態
※鬱展開…かもしれない




「へーいちょ…うぐっ!」


目の前に発見した人物に声を掛けたと同時に、脇腹に重い一撃が入り横に吹っ飛ぶ。無様にも床に倒れ込んだ私はこれは肋骨イったんじゃないか…と痛みに悶えていた。そんな私に声をかけたのは、勿論私に回し蹴りを入れた彼ではなく、その彼の隣に居た奴で。


「ちょっとリヴァイ、ナマエは仮にも女の子なんだからもう少し手加減してあげなよ」

「…ハンジ、それフォローになってないの分かって言ってる?それに、これは兵長の愛だから大丈ぶっ」

「何か言ったか?ナマエ」

「…ナ、ナンデモゴザイマセン」


私の暗闇に被われた視界では、兵長がどんな顔をしているか分からないけれど、きっと眉間にしわを寄せて視線で人を殺せそうな顔をしているのだろう。
兵長に踏んでもらうというこの状況はすごく美味しいけれど、兵長の麗しいお顔が見れないのは難点だな…あ、視界が明るくなった。


「てめぇ、いい加減にしねぇと削ぐぞ」

「え、良いんですか!?兵長に項削がれるなんて寧ろ本望です…!」

「…よし、ちょっと待ってろ」

「ちょ、待ってリヴァイ!ストップストップ…!」


剣を取りに行こうとする兵長をハンジが慌てて止めている。ナマエも見てないで…なんて言われたけれど、私には兵長を止める理由がない。

だって、兵長に項を削がれたい系女子とは私のことだからね!

顔面を思い切り踏まれたせいで鼻から血が滴っているけど、構わずそう言って胸を張った。二人の、心底蔑んだ視線が突き刺さる。やだ兵長そんな目で見られたら感じちゃう…!ってハンジ、私のことそんな目で見てるけど、巨人が絡んだ時のあんたと大差ないからね私。


「…チッ、いつか絶対削いでやるから覚悟しとけ」

「楽しみに待ってますね兵長!」

「…やっぱり、今此処で削いでやるから動くんじゃねぇ」

「…はぁ、本当懲りないよね君達」


溜め息を吐き呆れるハンジに、これが私達の愛情表現だからとアピールすると、私の身体は先程とは反対方向に吹っ飛んだ。







目の前に立つ兵長が私を見上げる。
兵長の麗しい三白眼は、いつかの時の蔑んだ視線とは違って、驚愕に目を見開いていた。
ただでさえ小さい兵長が更に小さくなっちゃいましたね、なんて言ったらまた回し蹴りされるんだろうか。それは……是非ともお願いしたい。

嗚呼、駄目ですよ兵長。
戦場では一瞬の迷いが命取りになるんですから。こうして見つめ合ってる間に、他の巨人に襲われでもしたらどうするんですか。まぁ、私としては今の状況は大変美味しいので、このままでもいいんですけど。

私がそんなことを考えている間に、兵長は剣を強く握り直していて。その瞳が孕むものはもう驚愕でも、蔑みでもない。それは正しく、狩人の瞳。私が憧れた――強い意志を持つ瞳。
ああもう、そんな眼で見つめられたら私……感じちゃいますよ。

今この顔で良かったと初めてこの身体に感謝しながら、私は兵長に手を伸ばした。




この美しくも残酷な世界でどうかわたしを
(私の気持ちに嘘はありません)(だから――)

(ね、兵長)


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ちゃんとキャラ掴めてないのに書いてしまった…ごめんなさい。

最近、兵長に削がれたいが口癖なのですが(笑)ふと、兵長に削がれたいって言ってる女の子が実は巨人だったら…っていうのを思いつきまして。
言葉に含まれてる意味とか重みが全然違う何これ美味しい…!って頭ぱーんってなりました(笑)←悲恋物大好き

因みに補足すると「この顔でよかった」は人間の時だったら涙とかでぐちゃぐちゃになってしまってたから、そんな情けない顔を兵長に見られなくて良かった。
最後の「私の気持ちに嘘は〜」は兵長に削がれたい〜のくだりの会話に嘘偽りはない、貴方にだったら殺されてもいいとそういう意味です。

補足しないで伝わる文章書けるようになりたい…;´`


20130604

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