さあ、喜劇を始めましょう(王陵)


これの続き。アニメに沿ってみた
※相変わらず病んでる



“今手掛けてる作品が終わったらね”


ねぇ、璃華子。
私をとびきり綺麗にしてくれるって約束したじゃない。だのに、どうして私の前から居なくなっちゃったの…?


“落ち着いたら連絡するわ”


貴女がそう私に告げてから幾日も過ぎた。公安局の人達が来て、学園内から生徒の死体が見つかったと騒ぎになってから早数日。
璃華子からの連絡はまだ、ない。

鳴りもしない端末を置いて私は立ち上がる。あの日を境に私の前から消えたのは璃華子だけではなかった。
美術担当の柴田先生。
一度だけ、あの人と璃華子が美術室に二人で居る所を見たことがあるけれど、あの人もあの日を境に姿を消した。生徒達に公にはされなかったが、ちょっと調べたら先生の経歴は詐称されたものだったと分かった。あの人が、璃華子に知恵を貸した人物なのだろう。

私だって璃華子一人であの犯罪を犯せるなんて思ってないわ。


「璃華子…愛してるわ」


以前彼女から貰ったロザリオに口づけを一つ落とす。
彼女からの連絡はない。そして彼女が逮捕されたという情報もまだ入っていない。なら、それから導かれる答えは一つしかない。

璃華子はもう、生きてはいないのだろう。


大丈夫よ璃華子。私がちゃんと敵を取ってあげる。純情な乙女を踊らせるだけ踊らせて、要らなくなったらポイ捨てだなんて男のやることじゃあないでしょう。
例え両の目をくり抜かれたって、あの男の顔は一生忘れたりなんてしない。


「名前様今日のご予定は?」

「公安局へのハッキング。私が改造したあなたなら出来るでしょう」

「畏まりました!」


人間の女がどれだけ執念深い生き物か、しらしめてやらないとね。



さあ、喜劇を始めましょう
(私もこれが終わったら貴女の元に逝くから、)(それまで少し待っててね璃華子)



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もしヒロインを美術品にする前に璃華子が死んでしまったら…というお話でした。
どう考えてもこの後はバッドエンドしか思いつきません…(笑)



20130312

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