02



「気をつけ!!」


渚くんの号令に銃口を先生に狙いを定めグリップを握り直す。渚くんの可愛い声で一日を始められるなんて、嗚呼なんて幸せなんだろう。
恍惚に浸ってうっかり本題を忘れそうになってしまったけれど、「礼」という合図に意識を取り戻しトリガーを引く。


「出席を取ります」


標的であるこのクラスの担任は、クラス全員から発砲されているのをものともせずに、淡々とクラスメイトの名前を呼んで出席を取り始めた。まるで余裕だとでも言うように。
発砲音で満たされたこの教室では普通の声量では先生に声は届かず、皆声を張り上げて出席している旨を主張した。

先生が出席を取り終わるのと、私達の銃が弾切れになるのはほぼ同時だった。
遅刻者もなく素晴らしいと喜ぶ先生は全くの無傷で、私は銃を降ろしてゴーグルを外す。足元に視線をむければ、先生に当たらず落ちてしまったBB弾が床一面に転がっている。

今日も先生にダメージを与えられた人はいなかったなぁ…流石最高速度マッハ20。
いや、そんなことより視界に映る渚くんが相変わらず可愛いんだけどどうしよう。渚くんは可愛いって言われるのあまり好きじゃないみたいだけれど、だって可愛いんだもの仕方ない。絶対そこら辺の女の子より可愛いよ渚くん。


後で床掃除する時、ちり取り持って渚くんの所に行こう。うん、そうしよう。


そんな事を考えていたら、先生が手本に自らの触手をBB弾で吹っ飛ばして何か話し始めたけれど…まぁいいか。



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