はぁはぁと自分の呼吸が生々しさを増していく。
ぐり、と何かを潰された時、頭の中が一瞬真っ白になった。


「―――ああっ」


大きな声が出たけれど、気にしてなんかいられない。
腹が熱くうねって、肉棒がびんと反り返る。

( ま…マジで気持ち良い…っ )

さっきの場所を擦りながらぐちゃぐちゃと掻き回される。
閉じる暇も堪える暇もなく、開いた口から女みたいな声が出ていった。


「あ…あぁ…っ あ…ぁん…んン…っ」

「ヘヘ、俺もう一回ヌけそうだぜ!」

「良いぞ、おい、もっと鳴かせろ!」


春樹の周りの密度が異様に高い。
男達は皆してハァハァ言いながらオナニーをしてる。
ザーメンと汗の匂いが熱気と一緒に籠もって、臭いはずなのに春樹はますます興奮してしまった。
後ろの席にも来ていたのか、二人の男が左右から勃起した肉棒を春樹の頬に擦りつけてきた。
青臭い匂いがして、熱い頬がぬるぬるする。


「っあ…あ…あぁ…あん…ンぐ…ぅ…うっ…」


頭を掴まれたと思うと右に顔を向けさせられ、口の中に牡のペニスを入れられた。
しょっぱいような苦いような、舌で押し返して首を捻ると、今度は左の男のペニスを入れられる。
押し返す前に勢いよく生暖かいものが咥内に広がり、思わず喉を鳴らしてしまった。
ねっとりとする奇妙な味に、それがザーメンだと知る。


「ケホ…ぇつ…ゲホッ…は…あ…ング…」


春樹が残りを吐き出して咳き込めば、右の男がまた口の中に入れてきて、同じようにザーメンを出した。


「おいおい、この子、男相手は初めてなんだぞ」

「つい興奮してよぉ」


苦味の残る唾液を吐き出す前にキスをされる。

( …俺、すごい事してる… )

舌をぐちゅぐちゅと絡ませ唾液を飲み込む。


「はぁ…はぁ…っあ…ん…あん…あっあっ…」


下半身が熱い。
尻の中も肉棒も、どろどろに溶けてるみたいに熱く燃えて気持ち良い。
目の奥がチカチカする。


「あっあっ…め…だめ…あっ…も…イく…っ、出るッ」


――――――っ!!



ハァッ…ハァッ…ハァッ

一瞬トンだ意識が戻って、放心したままぼんやりと荒い呼吸を繰り返す。
その間、男達はハンカチやウェットティッシュで、春樹の汚れを拭いていった。
衣服を整えられても、まだ快感で痺れて動けそうにない。

ホテル行かないか、とか言われたが春樹は首振って断った。
強烈な快感がまだ後を引き摺っていて、興味よりも今は恐怖のほうが強い。


「次はもっと気持ち良いこと教えてあげるよ。だからまた此処においで…」


耳元で囁かれて、掻き回されていた尻の中が疼いた。
三本同時上映で三時間のこのシアターで、上映時間が終わるその時まで、春樹はぼんやりと夢うつつに放心し続けた。


END


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