確立固定プライオリティー
鉛のように重たい身体を引きずって帰ると、ダブルベッドを一人占めして幸せそうに沢村が眠っていた。
その寝顔は高校を卒業したというのに相変わらず幼さが残っている。
ふ、と笑みがこぼれた。
きっと今日も頑張ったんだろうな、お疲れさん。
愛しみを惜しげなく表に出した笑みを浮かべながら、そっと沢村の頬に触れる。
途端伝わる温もりは御幸に安堵をもたらした。
本当は自分だって疲れてるのに、そうと分かっているなら今すぐ布団にもぐり込んで練れば良いのに、この寝顔をまだ見ていたくて眠気と格闘する。
…俺も人のこと言えないな。
結局、いつだって優先すべきは沢村なんだ。
(確立固定プライオリティー)
(どうやらお互い何一つ変わってないらしい)
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