memo


掌いっぱいの重さを抱えて
2010/07/19 23:09




※殺し屋パロ番外編?














ガチャリ、とリボルバーの弾倉部分を片手で開く。
6発式の型の古いそれは僅かに火薬の匂いを漂わせた。
薬莢を詰める一つ一つの穴の汚れを落としてゆけば、ハンマーで叩かれる際に摩擦で剥がれるのであろう金と銀の中間色のメッキがボロボロと崩れ落ちた。
うーん、ちょっと仕事のし過ぎかな?



ハンマー部分を見れば結構消耗している。
交換部品は…仕方ない、手当たり次第探そう。
そういえば木製のグリップも大分汚れている。こっちもそろそろ交換かな。
あ、彫っている名前消えかけてんじゃん。
彫りなお…せるほど器用じゃないから、やめた。



安全装置は…大丈夫。正常正常。
いや正常じゃなかったらマズいんだけどね。
懐の中で発砲、なんて洒落にもならない。



最新式ならもっと手入れは簡単なのだろうが、あえてこれを使い続ける。
オートマはどうにも頂けないのだ。なんとなく。
リボルバーである分、装填に時間は食われるがリーチが短い分オートマよりも発砲が早い。
小型である分反動は通常よりも大きいが、手首が柔軟な自分は簡単にそれを吸収できる。
どうやら持つべきは性能と相性を掛け合わせた相棒らしい。



…しかし随分と傷だらけになったものだ。
形見でもあるこれが、昔あった姿から少しずつ変わってゆくのはほんの少し寂しい。
けど、それは自分が生きてきた証しでもあるから。
いつもありがとな。
…と、掌ほどしかない小型のリボルバーを両手で包んで祈るように呟いた。



ふぅ、と一息つき、開きっぱなしだった弾倉に比較的小さな口径の弾丸を一つずつ丁寧に詰め込み、再びガチャリと音を立てて戻した。
最後に安全装置を忘れずにかけて、ハイおしまい。
汚れの溜まったティッシュを丸めてゴミ箱にポイと捨てたら、それはゴミ箱に届く前に障害物にぶつかってボトリとフローリングに落ちた。
無駄に足の長い、障害物。








「…なにしてんだアンタ」
「いやぁ、随分手慣れてるなーって。見惚れてた」
「これくらい普通じゃねーの?」
「いやいや、最近は扱いが分かってない奴らが多くてさ。もっぱら手入れは職人任せみたいよ?」
「ふーん」
「ま、そんな奴らから消えてくのは目に見えてんだけどね」
「…否定は…うん、できないかな」
「しかし改めて見るとほんと小さいよな、それ。手入れも普通のより面倒そう」
「慣れたらそーでもないよ?てか御幸のはリーチ長すぎ。俺絶対扱えない。腕が疲れる」
「標準合わせるのは楽なんだけどね。…まぁどっちかってゆーと狙撃メインだから、俺」
「…は?ウソ、初耳なんだけどっ!?」
「あれ?そーだっけ?……あ、そーだ。はいコレ」
「ん?……あーっ!これ!」
「お探しであろうハンマーとグリップの交換部品でーす」
「なんで?なんで!?」
「グリップは消耗が結構目立ってたし、ハンマーは最近発砲時の音が鈍ってたから」
「わー!わー!ありがと御幸!」
「はっはっは。どういたしまして。お礼は今晩いただきまーす」









*****

お礼の内容は言わずもがなです。察して…!^^


ひたすら銃の説明。
いや、楽しいんだ。主に私が。
沢村の小銃の脳内モデルはS&W。きっと誰も分からない(笑)
専門用語が結構飛び交ってます。きっと誰も分からない(笑)
でも実際のアクションはガンプラ持ってる訳ではないので正しい自信はこれっぽっちもないという…
たぶん、あってるんじゃないかな…
実はハンマーの下りはとても怪しいです。あれこれ暴露していいのか?
調べろって話ですねそうですねなんたってネットワーク社会。



しかし読者置いてけぼりのワンマン小説ってどうなんだろ…?(ダメじゃね?)





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