最近屋敷のそこら中から女の香りがするのは気のせいだろうか?御掛けで王子の香水の匂いがまったくかおらねーんだけど。うぜえなこの匂い。だけど嫌ってわけではない。寧ろ好きな方だったりもする。

「そうかそうかベルも好きな匂いなのか」

「やっぱり花子かよ」

ヴァリアーに女は少ねえし屋敷をうろちょろする奴って言ったら花子しかいねえじゃん。オレは天才だし王子なんだぜ?こんな問題ちょろいちょろい。しししっ。
つか、なんで花子は照れてんだよ。誰もお前の事なんか褒めてねーよバカ。お前がオレのこと褒めろし。褒めまくれし。

「つか、今すぐその匂いおとせよ」

「なんでよ!いい匂いって言ったじゃん!」

「それとこれとは別なの。オレの香水の匂いがまったくかおらないとかムカつく」

「知るかそんなことっ!いっその事香水かぶれば?」

「バッラバラにされてーの?」

「直ぐ暴力で解決するのはよくないよ」

「此処でそんなん通じると思ってんのかよ」

「ない」

わかってんなら余計な事言うんじゃねーよ。ああ、こいつ相手にしてっと疲れてきた。いっそ部屋乗り込んで香水の瓶捨てちまったほうがはやくね?匂いを和らげる気も落とす気もねーみたいだしやっぱ殺すしかねーじゃん。

「てゆうか、ベルが香水付けてる事にびっくりだよ」

「それ自殺宣言?」

「まあ、待とう?せめて最後まで話させてよ」

「最後まで聞いたら死ぬんだな?よーし、早く話せ」

「どんだけ私に死んでもらいたいんだよ!私が死んだら寂しくなるよ?きっと涙とまらなくなっちゃうよ?似非王子からは出ないかもしれないけどー」

「やっぱ今すぐ死ね」

ナイフを3本顔めがけて投げたのにこーゆう時だけこいつの戦闘能力はあがる。常に避けられれば幹部にまでなれんのにほんと脳みそどうかしてるぜ。

「だって王子様なんじゃん?匂いとか香水つけなくても凛々しい感じの香りがしそうなのに香水使ってるって…おとぎ話の王子様が出かける時とか香水つけてるの想像したら笑えるじゃん!子供の夢崩しちゃうから王子キャラやめなって」

「ししっ。子供にもそーゆうシビアな所を教えてやんなきゃしょーがねーんだよ。いつまでも夢見させてたら成長できないだろうが。俺は大人と香水会社に優しい王子なんだよ」

「リアリティありすぎだろ!それはもう王子ではないんじゃないか?ただの宣伝するモデルじゃん!あ、いいじゃん。それに転職すれば?」

「ま、オレだからどこでも働けっと思うけど王子がモデルとかありえなくね?こうしろああしろって写真とられんだろ?そんなのオレが黙って聞けっと思ってんの?」

「どこでも働けないじゃん!結局、ベルには暗殺部隊がお似合いだよ」

結局じゃねーよ。話そらして解決しようとしてんな!いいからその匂いとれっ!


(人間って記憶を失っても匂いだけは覚えてるんだって)
(だからきっとベルは私を忘れないよ)





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