※ 主人公は修正液の美夜設定です。性格があれです。

夕日も沈み下校時刻を過ぎたので最後の見回りをしていた。生徒がいるはずがなく残っているのは風紀委員と教師ぐらいの静かな廊下を自分のペースで歩き欠伸をした。今日は早く帰れそうだ。と、気分をよくしていたら慌てた様子で僕の名前を呼び飛んでくるヒバードが頭の上に止まった。何事だと思いヒバードが飛んできた先を睨むと焼き鳥を片手で持ちもう一本をくわえ器用に食べている花子が無表情でやべっと呟いていた。

「君はほんとうに暇なんだね」

「いやいやそんなことないよ。毎日忙しいよ」

「そうやってくだらない事をする時間があるんだから暇なんでしょ」

「夕食の食材を確保する事はくだらなくなんかない」

「そうか、ならご飯の心配をしなくて済むように僕がぐちゃぐちゃにしてあげる」

トンファーを構えると花子はめずらしく強気で焼き鳥を食べ終えた串が武器なのかこちらにとんがってる方を向けてきた。それで何ができるんだって聞きたいがもしかしたらこの串を持ってるのが花子じゃなく、凄腕の殺し屋だったら人を簡単に殺せるんだろう。だけど串を向けているのは花子だ。僕がトンファーを振りかざせばその棒は簡単に折れて顔面にヒットするのにこいつはそんな事もわからないのか。

「そう言えば雲雀にひとついい事教えといてやろう」

「上から目線なのが気に入らないけど聞いてあげるよ」

「素直に聞きたいって言えば可愛いのに…」

「僕は別に聞きたくもないからね」

「そこは嘘でもいいから気にするそぶりを見せようよ」

何でそこまでして僕が君の話を聞かないとならないんだよ。別にどうでもいいよ。いい話ってそれこそ不気味だ。下校時刻破ってまで僕に話したかったのかい?僕は下校時刻過ぎてまで君に会いたくなかった。ヒバードが安心したのか頭の上でグッスリと寝ていた。それほどまでに怖い思いをしたんだろう。やっぱりこいつは咬み殺すか。

「こらこら、今あたしを咬み殺そうと動いたら頭の上でぐっすり寝ているヒバードを起こす事になるんだよ!」

「ワォ。君にしてはよく殺気に気づいたね」

「そんな思いっきり睨まれちゃ普通の人でもなにかされるって気づくと思うよ」

「いいからさっさと要件を話して僕の前から消えなよ」

「今日は何時にもまして冷たいったらありゃしない」

溜息をつきたいのはこっちだってーのに何故か花子がわざとらしい大きなため息をこぼしやがった。ヒバードさえ頭の上で寝ていなかったら今頃ぐちゃぐちゃに咬み殺して泣かせて病院送りにしてやるのに…

「あたしじゃないよヒバード追いかけてたの」

「?」

「旧制服の黒髪のおかっぱ頭の女の子が噛みつく勢いでヒバードを追いかけてたのを見かけたから後をつけてたら雲雀にあっただけ」

「…僕を騙そうなんてほんとに君は死にたいみたいだね」

「信じなくてもいいけどあたしはもう要がないので帰りやす」

くるっと僕に背を向け昇降口の方に走って行く花子の姿が見えなくなると携帯が鳴りだした。今度はなんだ。くだらない要だったらこのイライラを発散してやると不機嫌な口調で電話に出ると結構大きな内容で飼育していたウサギが一匹喰われたように死んだ事だった。一匹だけなのが妙だが飼育小屋付近に数珠のようなものが散らばってたのと焼き鳥に使われる串が何本か地面に刺さっていたようだから花子がまた何かやらかしたんだろう。…なわけないか。いくらアイツでもまさかね。

「どうやら彼女のおかげで命拾いしたようだね」

眼を覚ましたヒバードが何度も花子の名前を嬉しそうに呼んでいるから今回の校則違反は見逃してあげるよ。

(…今日は早く帰ろう)
(ヒバリヒバリ!コワイ?)
(黙らないと焼き鳥にするよ)






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