俺は花子が好きで好きでどうしようもなくてそれを他の奴等にもしってほしいし花子は可愛だろ!愛しあってんだぞっていうのを自慢しまくりたいんだけどそれを花子は快く受け入れてくれない。本人いわく恥ずかしいのと人前でベタベタしたくないらしいのだ。確かに花子の性格上ベタベタするタイプではない。寧ろ普通に只の知り合いだろ。ほんとに友人じゃないの?え、ウソだろ付き合ってたの?って思われるくらいサラッとしている。
俺が言うのもアレだけど最近の中学生って結構「好き、大好き」って手紙を書いたり言葉にしたりと大胆なのものなんだ。大人になったらあんまり言えないことなんだから今のうち一杯いっときたいんだよ!いや、俺は大人になっても言い続けるけどさ!

「花子、帰ろ」

「うん。行こう」

その「行こう」も何気素っ気ないし俺が帰ろって声をかけなきゃ花子は俺を置いて帰りそうなのも寂しい。

「荷物持つよ!」

「え、いいよ。自分で持つから大丈夫」

こっちはまったく大丈夫じゃない。持ちたくて言ったの!持たせて!別にMってわけじゃなくていいとこ見せたいだけなんだけどさ。よし、押してダメなら引いてみろだ。妬かせてみよう。

「京子ちゃんかわいいな〜」

「どれどれ?」

「ほら、あそこ黒川と歩いてる」

「ほんとだ!京子ちゃんはいつも可愛い!私の天使だよ!」

まさかの花子の天使だったよ!妬くどころか話しにのって来たよ!なにこれ。俺はもうどうすればいい?一緒に歩いてるのに手も繋いでないし隣を歩いてるけど人1人入れるくらい間空いてるし。

「そう言えば今日、獄寺君が珍しくちゃんと授業受けててかっこよかったなぁ」

「え!?(かっこいいって!?)」

「ね!ツナもびっくりしたでしょ。やっぱ不真面目なのがビシッとちゃんとしてるんだもん」

「め、めずらしいね(そっちに驚いたんじゃねえ)!」

「なんか胸キュンしちゃった」

「獄寺君かっこいいからね〜」

自分で言って悲しくなってきた。しばらく獄寺君と話したくない。花子の視界に入らないように塵にしてやりたいくらいだって俺が嫉妬してどうすんだよ!

「ツナってわかりやすい」

「え?わ、わかりやすい?」

クスっと笑って肩がくっつくんじゃないかってくらい急接近してきた花子に今度はびっくりだ。

「私にいいとこ見せようとしたり妬かせようとしたり凹んだりとか」

「バレてたのか…」

「わかるよ。ツナの事だもん」

「それって」

「ツナの事よーく見てるしツナだけの事考えてるからすぐ分かる」

そんな照れて言うのは反則だ。好きって言われるより何倍も嬉しいかもしれない。なんか自分が恥ずかしくなってきた。好きだ好きだって口でだったら何度でも言えるんだよな。こんなん言って相手が喜ぶと自己満足してるだけだ。何百回の「好き」は花子のあの言葉に勝てないだろう。


(中学卒業して高校も卒業したくらいには俺も変わってるかな)
(好きだって言ってくれるの私は結構嬉しいんだよ)






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